2014 Fiscal Year Annual Research Report
説明的文章を批判的に読むことを段階的、系統的に指導するための実践プログラム開発
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24531126
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
吉川 芳則 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (70432581)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 説明的文章 / 批判的読み / 段階的 / 系統的 |
Outline of Annual Research Achievements |
説明的文章の批判的読みの指導に習熟する過渡期にあったベテラン小学校教員の批判的読みの実践事例について、授業記録、授業後のインタビュー内容、学習者の振り返りカードの内容の分析から、批判的読みの指導に習熟する過渡期では、次の3点を観点とする授業モデルを構築することの有効性が示唆された。①批判的読みの要素(中でも具体例のあり方)を精選し、焦点化して限定的に授業に位置づける。②授業展開として、筆者の意図を推論することと、自己の考えを形成することの順序性は、学習者の実態(筆者の立場に立って推論することへの慣れの程度、自己の読み・考えを持ち主張できる程度の違い)によって決定する。③具体例のあり方を軸に批判的読みのスキーマ形成の授業を分量の少ないテクストを用いて行う。さらに批判的読みの指導に習熟初期段階の教員が上記ベテラン教員の学習指導案を参考に同学年、同一教材、同一時期に授業を行った結果、上記①②の観点に基づくと批判的読みの授業案を比較的容易に決定、実践できることが認められた。 これらのことから、批判的読みの実践プログラムを設定する際に、指導に習熟する初期、及び過渡期の教師にあっては、上記①②の観点を基盤にすることが有効であると考えることができた。また上記③の観点に関しては、実験授業の実態、先行実践の整理からは以下の点について具体例(事例)のあり方の検討を行うことが効果的であると考えられた。<実践の前提>としての「事例を筆者の仕掛け(修辞作用、レトリック)として着目する」こと。<めざすところ>としての「事例のあり方を検討し、筆者の発想を推論する」こと、「筆者の発想に対する読み手自身の考え、発想、論理の構築をする」こと。<具体的学習活動の観点>としての「事例の必要性、必然性」「事例選択の意図」(事例の数、事例の質、異同等)「事例の順序性」「他の事例の可能性」「自己の考えに合致するものの選択」。
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Research Products
(2 results)