2013 Fiscal Year Research-status Report
ESDを目指す高等学校芸術科音楽の鑑賞教育カリキュラムと実践事例の開発
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24531130
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
宮下 俊也 奈良教育大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50314521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大熊 信彦 国立教育政策研究所, その他部局等, 研究員 (20370083)
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Keywords | ESD / 音楽科教育 / 鑑賞 / 高等学校 |
Research Abstract |
前年度の成果を踏まえ、大きく以下の2点を成果を得た。 【1.音楽鑑賞学習においてESDを実現する概念図の完成】 ここでは、「従前」と「ESDとしての音楽鑑賞学習」を比較し図示した。前者については、従前の音楽鑑賞学習は、その結果として予定調和的に「持続可能な社会作りに貢献する力」として無意識的であったことに対し、後者では、指導内容+「ESDとして獲得を期待する力」の意義を生徒と生徒が意識し、「ESDとしての思考の機会」を学習指導に組み込むことにより、「持続可能な社会づくりに貢献する力」=「生き抜く力」=「自立・協同・創造」=「ESDとして獲得を期待する力」となることを構造的に示した。 【2.ESDとしての音楽鑑賞授業において生徒に思考させるテーマ例の完成】 前年度にカリ提案した「思考のテーマ例」をさらに精緻化させ、中学生、高校生別に指導内容に対応させて完成させた。また、香港教育学院に提供するため、それらを英文によっても示した。そのタイトルは、「Potential of Music Appreciation Classes for ESD (Education for Sustainable Development)」である。また、高校生に対する思考のテーマとして、以下のものなどがある。 "When do we usually say one is 'unable to see the forest for the trees?' Think about what it means to be 'unable to see the forest for the trees' when appreciating music and art. Give examples in order to start a discussion."
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終年次の前年度において、最終目的となる実践事例集のコアとなる「思考のテーマ例」が確定したことにより、最終年次における実践事例の立案へとスムーズに進行できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
全国の高等学校音楽科教諭、指導主事等約10名を研究協力者とし、「ESDを目指す高等学校芸術科音楽の鑑賞教育カリキュラム」とそれに基づく具体事例を作成し、「ガイドブック」として出版し、全国の教育関係機関に配布する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
必要支出をすべて執行した後の残預金である。 この額は次年度計画書どおり「ガイドブック」作成のための経費(主として当初予定されていなかった消費税増税分)として使用する。
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