2013 Fiscal Year Research-status Report
小・中・高一貫の「伝統的な言語文化」教育カリキュラムに基づく授業創造に関する研究
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24531141
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
渡辺 春美 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 教授 (10320516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨安 慎吾 島根大学, 教育学部, 講師 (40534300)
信木 伸一 尾道市立大学, 芸術文化学部, 教授 (40549870)
武久 康高 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 准教授 (70461308)
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Keywords | 伝統的な言語文化 / 授業創造 / 関係概念 / 授業研究 / カリキュラム / 教材開発 |
Research Abstract |
25年度に進めた研究の成果は、以下の通りである。 (1)学習者の興味・関心に関する調査に関しては、学習者の実態に応じた教材化を図るためのアンケート調査を小5~高2に対して行った。その結果から、①生き方、②生と死、③自己への関心、④状況の中の人間などをテーマとした教材開発、指導案作りを試みた。 (2)発達段階を考慮した着けるべき学力の措定とカリキュラム開発に関しては、着けるべき学力を、①知識、②読解力、③解釈力、④態度の観点から措定し、それに基づき、ア.学習テーマ、イ.教材、ウ.発達段階、エ.学力の観点からカリキュラムの開発を試みた。 (3)基本的指導過程に関しては、指導過程を基本→応用→(発展→)まとめ(ゴール)と発展的にしたい。この段階に一斉→班別→個別の指導形態を重ねる。学習者は、ゴールでの発表をめざし、基本段階で学習した技能を班別による言語活動を通して応用し、自らの力で読み、班員と交流し、読みを深め広げ、あるいは修正しつつ、古典を内面化していく。さらには個別学習によって技能を個々に応用し着実に身につけるとともに、自らの認識も深めることによって内面化を進める。さらに、目標を学習者の目標と授業者の目標(能力目標中心)に分けて編成し、それぞれが目標を明確に意識するようにする。このような基本的指導過程に従って指導案を作成した。 (4)指導案の作成と授業に関しては、作成した指導案のうち、単元「説話に生きる人々」の一部(基本学習)を高等学校で授業に移した。 (5)研究に関しては、渡辺春美:古典教育個体史の研究、古典教育理論史の研究、信木伸一:書き手の問いに反応する古典学習に関する研究、武久康高:古典の表現特性に関する研究を論考として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①研究の基礎領域である古典教育論の研究、古典読解力・解釈力の措定、カリキュラム開発の基本的理念の研究に時間を要した。 ②研究授業を行う場所と時期と研究のスケジュールが合わなかった。 ③研究代表、研究分担者の多忙。 以上が上記(3)を選択した理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
伝統的な言語文化の授業のための基礎論の研究はおおよそ終わった。研究授業については、早めに実施できる学校を決めて打ち合わせを行う。また、研究代表、研究分担者が多忙であることは変わりないが、最終年度に入っていることを考え、優先順位を上げて取り組むことにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者、および研究分担者が、他のプロジェクト、地域との連携業務などの公務により多忙となり、出張、調査等を行うことができず、十分に研究費を生かし切れなかったことによる。 また、研究授業を行う予定が、依頼する学校、授業者、および教育課程と研究者とのスケジュールが合わぬ所もあり、授業研究のための予算、授業参観のための出張費、謝金等の予算を使えなかったことによる。 研究代表者、研究分担者は変わらず多忙であるが、業務に優先順位をつけ、本研究は最終年度でもあり、優先させて行うことで、研究費を使用していく。 具体的には、研究協議の回数の増加、研究授業への出張、研究授業のための経費・謝金、学会発表のための出張、および研究成果の公表のために使用する。
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Research Products
(8 results)