2014 Fiscal Year Annual Research Report
小・中・高一貫の「伝統的な言語文化」教育カリキュラムに基づく授業創造に関する研究
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24531141
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
渡辺 春美 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 教授 (10320516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨安 慎吾 島根大学, 教育学部, 准教授 (40534300)
信木 伸一 尾道市立大学, 芸術文化学部, 教授 (40549870)
武久 康高 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 准教授 (70461308)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 伝統的な言語文化 / カリキュラム / 授業創造 |
Outline of Annual Research Achievements |
「伝統的な言語文化の教育カリキュラム」の作成、「授業モデル」の提示、研究成果の公開という3点から研究概要を以下にまとめる。 (1)カリキュラムの作成―学習者の興味・関心・問題意識に関するアンケート調査により、自己への関心、生と死、愛と信頼、貧困・差別や戦争、状況に置かれた人間とその心情などに関心が高いことが判明した。調査と過去の授業実践に基づき主題(トピック)を決め、カリキュラムを構想した。また、付けるべき学力を①知識、②技能、③態度から措定し、カリキュラム化した。指導過程は、主体的学習と生きて働く読む力の育成という観点から、基本的に、基本→応用→発展と段階的にした。教材の開発・選定・編成は、主題を軸にし、指導過程に応じて行った。例えば、高等学校1年では、「状況と人間」(『平家物語』他)などを設定し、学習指導案を作成した。 (2)授業モデルの提案―小・中・高等学校の授業を構想し、研究授業を実施した。例えば、中学校2年では、島崎敦子による、人間ウォッチングを単元主題とした『徒然草』の授業(全4時間)を行っている。まず、1時間目は「仁和寺の法師」を教材とし、法師の人間像を追求した。読みの方法と新聞づくりとをモデル授業(基本・一斉学習)として提示した。以降は、その他の『徒然草』の6つの教材(「弓射ること」92段、「榎の僧正」45段他)から1教材をグループで選択し、読みとり、新聞にまとめる授業(応用・グループ学習)を展開した。その後、授業に基づき考察し、学習指導計画の修正を行った。 (3)研究成果の公表―平成26年度は、信木伸一他2名「古典学習における主題単元のテーマの設定―『学習者にとっての問題調査』から―」(『教育学研究紀要』第60巻 2015.03)などを発表した。さらに、報告書:「小・中・高一貫の『伝統的な言語文化』教育カリキュラムに基づく授業創造に関する研究」(2015.3.30 全200頁)を公刊した。
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Research Products
(10 results)