2013 Fiscal Year Research-status Report
対話過程に着目したアート教育のデザインの教授学習過程論的分析
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24531157
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宮崎 清孝 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90146316)
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Keywords | アート教育 / カリキュラム構成・開発 / アクションリサーチ / 対話的教授学 / 創造性の認知 / 国際情報交換:アメリカ・スウェーデン |
Research Abstract |
研究計画に従い、II,研究サイトである幼稚園の教育プログラムの実施とデータ取得、III、取得データ・分析の国際比較を主としておこなった。IIについては音楽家の石川泰氏を招聘し、音楽のアートワークショップを中心としたプログラムとした。石川泰氏のワークショップを中心に、5月6月7月および8月、さらに10月,平成26年3月に、研究代表者,また研究協力者として早稲田大学助手、大学院生が、単独で、あるいはチームとして幼稚園を訪問、参加観察をおこないビデオデータを収集した。ワークショップでは子どもたちが周りの音を聴き、それに対して声で呼びかけるという関わり合いの経験を持つことが試みられ幼児における非言語的な対話経験について、多くのデータを集積することができた。 IIIについては11月10日より17日にSwedenのJonkoping大学(Jonkoping市)で海外共同研究者たちと国際会議を開き、情報交換、討論をおこなったほか当地のpre-schoolを見学し情報を得た。なおこの会議についての経費はスウェーデン側が負担した。さらに日程的にはこの前となるが5月19日より5月25日にかけてはイタリアのレッジョ・エミリア市のマラグッティ国際センター主催のレッジョ・エミリアアプローチによる保育の研修会に参加し,本研究計画の理論面にとって比較の重要な対象になりつつあるどうアプローチについての情報を得ることができた。 なお研究計画IV,Vの理論構築及び発表については上記スウェーデンでの国際会議の他、7月にバンクーバーでおこなわれた「想像的教育」についての学会、さらに平成26年1月にニュージーランドでおこなわれた対話についての学会に参加,理論面について発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画のIIIについては一定の成果を上げることができた。しかしその準備のためもあり、IIにより研究サイトの幼稚園での教育プログラムについては,必ずしも十分な訪問がおこなえず、さらにデータの分析も不十分にしかおこなえなかった。またIV,Vについては、平成25年度中にこれまでの結果、分析を理論的にまとめた著作を研究サイトである幼稚園と共著として公刊する予定であったのが果たせなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の遅れのうちIIに関わる部分については,平成25年度の研究結果の分析に時間をとり、引き続きおこなう。Vに関わる著作の刊行については、本年度中の刊行を予定しており,十分可能であると考えている。 なおIIIについては予期以上に進行し、新しい問題が見えた。そのため平成26年度にスウェーデンとの協働研究をさらに推し進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の予定使用額が全額は使用できなかった。用品費、消耗品が使用できなかったが、これは旅費(特に海外旅費)が大きくなる可能性があり、念のために使用を手控えたためである。 25年度のイタリア、スウェーデン訪問でより重要性を増した海外との比較研究のために,当初計画していなかったスウェーデンへの訪問を10月頃に予定している(約250,000円)。この他,これは計画通りであるがカナダ、バンクーバーでの学会出席(7月。Imaginative Education Research Group 2013 International Conference、約250,000円)も予定しており,25年度同様、国内旅費(研究サイトの訪問)を含め旅費に重点的に支出する予定である。
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