2013 Fiscal Year Research-status Report
音楽鑑賞を取り入れた国語教育におけるタブレット端末の利用とその効果の数量的解析
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24531165
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
竹下 哲義 石川工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90259846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 浩司 石川工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90185538)
川除 佳和 石川工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (90552547)
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Keywords | 国語教育 / 感性教育 |
Research Abstract |
研究代表者らは、国語教育に音楽鑑賞を取り入れる試みを平成17年度より実践しており、これまでの助成「国語教育に音楽鑑賞を取り入れる試みとその効果の数量的解析(平成21~23年度)」などにより、130名の実験協力者のデータを解析し、その効果を数量的に明らかにした。本研究はこの結果を発展させ、文学作品や音楽作品の解説以外はすべてタブレット端末で行い、音楽鑑賞を取り入れた国語教育の効果を数量的に解析するものである。受講者は、一人一人の読書速度に合わせてヘッドフォンで音楽鑑賞できるように設定し、印象評定実験もタブレット端末で行う。 平成25年度は、本研究で明らかにすることのひとつである「高等専門学校や高等学校の国語教科書でよく用いられている作品での検証」を昨年度に引き続き進めた。本年度は実験協力者数を85人とした大規模な実験とデータ解析を行うことで、これまでの成果がタブレット端末を用いた場合にも成立することを確認することができた。この実験では文学作品と音楽がこれまでと異なった場合でも、文学作品によらず音楽が文学の印象に同様の作用を及ぼすことも確認でき、外部報告を行った。さらには、解説に変化を付けて繰り返し授業を進めても、実験協力者の文学に対する印象を変えることはできず、解説に音楽を加えることで、初めて文学に対する印象が音楽の影響を受けて変化することを確認し併せて報告した。 また、タブレット端末で印象評定実験が行えるように構築したクライアントとサーバから構成されるシステムに関する報告を行った。このように、音楽鑑賞を取り入れた普遍的な国語授業システムの構築が進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の予定は、昨年度の準備や予備実験で決定した作品と音楽を用いて実験協力者の人数を増やした本格的な実験授業を進めて、それらのデータを解析することで音楽鑑賞を取り入れた普遍的な国語授業システムを構築することにある。予定通り、実験協力者数を85人とした実験授業とデータ解析を終了した。 また、本研究で明らかにすることの第3の課題「マルチメディアを用いた国語教育の可能性」に着手した。音楽鑑賞の際に文学作品や音楽に関連する画像の鑑賞ができる環境の整備を終了した。このように交付申請書に記載した通りの達成度が得られ、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の実験を引き続き進め、実験協力者の人数を増やした実験授業を予定通り進めていくことで、本研究で明らかにする「音楽鑑賞設備のない通常の教室での検証」を確信の持てる結果として、音楽鑑賞を取り入れた普遍的な国語授業システムを構築する。 研究の分担であるが、研究代表者は引き続き研究計画の立案とデータ解析やまとめを行う。また、実験授業を主体的に進める役割を担ってもらう研究分担者と印象評定実験の方法や効率的なデ ータ分析法の提案を中心に研究してもらう研究分担者とともにこの研究を進め、成果の発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
タブレット端末とヘッドフォンは既に45セット購入済みであるが、予定台数より少なく一部が未購入であるために次年度使用額が生じた。 平成26年度にはさらに大規模な実験を控えているため、未購入のタブレット端末とヘッドフォンを購入したい。
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Research Products
(3 results)