2013 Fiscal Year Research-status Report
Effects of VSTF on Intensive Reading
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24531166
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
ハーバート ジョン・チャールズ 明石工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60435435)
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Keywords | 精読活動 / スキャニング / スキミング / VSTF |
Research Abstract |
第二言語として英語を学ぶアジアの学生が、オンライン環境でスキャンニング、スキミング、タイムリーディングを行う際、構文的にパースされた様式のテキストが眼球運動に与える影響を示すヒートマップおよび視線の軌跡を、視線追跡装置の利用により得ることができた。この研究に用いたテキストの様式は、Visual Syntactic Text Formatting (VSTF) を基にしたもので、管理実験環境の下で通常のブロックテキストとの比較を行った。各々の様式のテキストに対する眼球運動のパターンの違いは、構文的にパースされた様式が、テキストの要点を把握しやすくする理由を明らかにした。更に、スキャンニングによって制限時間内に見出す単語数に関する効率の数値データは、統計学的に有意な差をもって、構文的にパースされた様式のテキストの方に優位性があることを示した。しかしながら、パースされたテキストは、読書速度の平均値において優位性を示しはしたものの、各々の様式の数値の間には、統計学的な有意差は認められなかった。加えて、理解度に関する詳細スコアは、どちらの様式も、もう一方の様式と比較して、より高い学習成果をもたらすとは必ずしも言えないことを示唆している。これらの研究結果は、アジアの学習者の英語の読書速度と理解度において、VSTFは有意的と言えるほどの効果は示さないという、学術文献に見られる他の二つの予備的研究の結果によって裏打ちされている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年の4月と5月に、無作為に選んだ実験参加者が第一次予備研究に協力し、更に18名が2013年の8月と9月に実施した第二次予備研究に参加した。両予備研究とも類似した結果を示し、その内容は上述のとおりである。AAAL 2014においてポスタープレゼンテーションの申込みを、2013年8月に送付した。この申込みは受理されたが、学会の審査者の意見に従って、新たなデータの収集を行い、研究計画にも何点かの変更を加えることにした。最終の研究計画に基づき、200人の学生からなる母集団から無作為に49名の実験参加者を選び、計測の前に20項目からなる集中リーディングの課題を実施した。計測は、読み易さ、ジャンル、長さ、及び語彙の点で類似するように注意深く選んだ2件のリーディング課題で構成した。効率の数値データは成功裏に得ることができたが、技術的な問題がから読ませた全てのページの眼球運動データを、49人の実験参加の全てについて取得するということはできなかった。最終的に、眼球運動の比較研究に使用することのできた視線の軌跡とヒートマップのデータは、49人の実験参加者のうちの16名分であった。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の眼球運動データの取得を困難とした原因は、実験参加者の頭部のずれだと考えられる。これまで、実験参加者の頭部が、元の位置から数インチ程度動いたとしても、視線追跡装置は正しく眼球の動きを追跡できるものと考えていたが、実際にはデータ取得に至らなかったケースが多発した。そのため、頭部の固定用装置を購入した。より多くの実験参加者を得て、頭部を安定させた上で視線の軌跡データ取得の実験を行うことを計画している。2014年夏には、学術誌向けに研究成果をまとめ上げるよう計画中である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前述の眼球運動データの取得を困難とした原因は、実験参加者の頭部のずれだと考えられる。これまで、実験参加者の頭部が、元の位置から数インチ程度動いたとしても、視線追跡装置は正しく眼球の動きを追跡できるものと考えていたが、実際にはデータ取得に至らなかったケースが多発した。 頭部の固定用装置を購入した。より多くの実験参加者を得て、頭部を安定させた上で視線の軌跡データ取得の実験を行うことを計画している。2014年夏には、学術誌向けに研究成果をまとめ上げるよう計画中である。 「The Computer Assisted Language Instruction Consortium 2014」(オハヨ大学、米国)と「The 2014 Conference of JALTCALL (Japan Association for Language Teaching - Computer Assisted Language Learning)」 (名古屋)に研究発表を予定している。
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Research Products
(4 results)