2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24531178
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
齋木 久美 茨城大学, 教育学部, 准教授 (60361284)
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Keywords | 幼児 / 書字支援 / 運筆練習 / ひらがな視写 / 幼小連携 |
Research Abstract |
書字は学習の基盤であり、学習や社会生活に必要な書字技能を習得するためにも、書字学習が充実することが望ましいが、小学校入学時点で児童の書字や文字に対する興味関心に差がある。そこで、就学前の幼児期における書字に関する実態を考慮する必要がある。幼児は自分の名前の文字をきっかけにして文字の存在に気づくと言われているが、その後の関わり方や興味関心は多様である。このような状況で幼児は見よう見まねで書字活動を始める。一方、文字を書くことに興味を持たない幼児もいる。 幼児を対象にした書字練習は、その多くがなぞり書き練習である。なぞりによるひらがな書字ができていても、実際に言葉を書かせると、誤字を書く場合があり、なぞりによる練習が機能しているとは言い難い。しかも習慣によって誤った書き方が身に付いた場合、小学校入学後の書字学習に支障を来すことになる。幼児の発達に見合い、小学校の書字学習に機能する書字支援が必要であり、書字の際の姿勢や運筆を考慮した幼児用書字ドリルを作成し、その効果が検証できた。 さらに、幼児の発達に即した書字支援の検討を進め、4分割されたマスのそれぞれに色を付けたマスに書字させると、幼児から「わかりやすい」といった言葉が発せられ、色を手がかりにして視写を行い、その技能が向上することがわかった。 この方法を入学直後の児童にも応用したところ、ひらがなの書き方に習熟していない児童にも、効果があることが推察され、就学直後の書字支援に効果があることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
幼小連携を円滑にするためには、保護者の協力が不可欠である。そこで多忙な保護者に対し、簡便な方法で行うことのできる調査を模索しているが、具体的な方法の検討が当初の計画より遅れているため、標記の達成度となった。 なお、幼児に対する書字支援の具体的な方法の検討は進めている。また協力を得ることが難しい入学直後の小学校1年生の書字に関するデータ収集や効果の検証については、試行を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
小学校入学後の書字学習に対する支援の方法とその効果の分析、幼児に対する効果的な書字支援の考察、および書字支援に関する保護者への情報を資料としてまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
保護者向け資料の作成に至らなかったことによる。 (幼児の書字の実態を提示し、保護者になるほど、と思わせる形式の紙面にした資料を作成していくが、その詳細の検討、具体的な紙面作成にまで至らなかった。) 25年度の残額は、保護者向け資料の作成に充てる。
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