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2013 Fiscal Year Research-status Report

特別支援教育時代における開放性教員養成課程のカリキュラム開発

Research Project

Project/Area Number 24531181
Research InstitutionTsukuba University of Technology

Principal Investigator

加藤 宏  筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (50177466)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 一木 玲子  筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (20351174)
Keywords教員養成課程 / 特別支援教育 / 教職課程認定大学実地視察 / 教育職員免許法施行規則 / 国際比較 / 開放制 / シラバス / 届出制
Research Abstract

特別支援教育への制度移行は開放性養成(開放制)を含む教員養成課程を有する全ての大学のカリキュラムにその理念を反映させることができなければ実現できない。教職課程設置基準と教育職員免許法施行規則の規定に依らず、現状の課程認可制度では,障害者の発達や学習についての養成段階での学修が保障されていない構造が,課程認定大学の実地視察報告および国立大学・私立大学からなる協議会調査からも明らかになっている。教員養成課程を有する大学間連合で自主的アクレディテーション・システムを作る動きもあるが,設置基準が満たされていることを前提としているなど現実にそぐわない改革案が提示されている。質保証の実質化には,各大学には学部をこえた権能を持つ教職課程委員会等の設置を義務付け,シラバス変更を届出制にする必要がある。
海外調査では25年度はイタリアと韓国を訪問し、インクルーシブ教育実施後の教員養成課程に関する法制度の編成と実態について調査した。イタリアでは、教育省において近年の障害児教育に関する教員養成課程の改正についてヒアリング調査を実施し、そしてDPIイタリア(Disabled Peoples' International Italia )で障害当事者から見た近年の障害児教育政策と教員養成の現状と課題についてインタビュー調査した。韓国では、特殊教育研究院において施策の基本方針や現状についてインタビュー、統計年次報告書や知的障害者用教科書について資料収集し、韓国福祉大学において施策の方向性や課題についてインタビューを実施した。さらに、障害児専用の幼稚園、小学校の重度重複特殊学級、高等学校特殊学級を見学調査し、教員養成の課題について教員ヒアリングを実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

国内の課程大学調査からは、教職課程カリキュラムへの特別支援時代への対応は文科省へのシラバス届制度と全大学への全学教職課程委員会の設置義務以外に実効的な法令遵守体制を保障する教員養成は難しい構造にあることが明らかとなった。
国際調査からはイタリアと韓国の事例から両国共通の事象として、インクルーシブ教育制度に改正後、大学での養成を補完するために大学や学校、地方教育センターの研修等が実施されている状況が見られた。卒後補完システムの長所としては、現状の課題に柔軟に対応できることであるが、短所としては地方の格差が生じることがあげられる。また、近年インクルーシブ教育制度に転換した韓国では普通学級教員の意識や知識の低さがあげられ、対して特別支援教に長い歴史を持つイタリアからは教育予算の削減による人員削減問題が提起されていることが明らかとなった。国内外の現状調査から課題を含めての知見が多数得られ、最終年のカリキュラム開発の準備が整いつつある。

Strategy for Future Research Activity

26年度は研究最終年度であることから今までの国内外調査のまとめを主眼に置く。そのため、25年度調査をさらに深化させるため、イタリアで二度目の調査研究を実施する予定である。昨年度訪問できなかった、ミラノの特別支援学校とローマの聴覚障害児をインクルージョンしている公立学校で実施している教員養成研修の関係資料を収集し、教員ヒアリングを実施する。これらをもとに、韓国とイタリア、そして日本の教員養成の現状と課題について、障害者権利条約の理念の観点から整理する。
日本の教員養成課程への提言としては開放制と目的養成制による特別支援教育への対応の差異構造をさぐり、すべての養成課程が最小限のリソース投与で設置基準を充足し、かつ特別支援教育の理念に対応した教員養成が保障されるために必要かつ実現可能なスキームを提案する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

アイルランドのジェラルド・クイーン氏を招聘しての特別支援教育と教員養成教育の国際シンポジウムを年度末に国内で開催する計画であったが、平成25年12月になり当人が病気で入院されたためシンポジウムを中止したため計画していたシンポジウム費用と招聘旅費が次年度使用額となった。
次年度使用額については、平成26年度請求分と合わせて8月にアメリカ合衆国フィラデルフィアにて開催される世界特別支援教育会議(WCSNE-2014)への参加とサウジアラビア王国PMU大学(Prince Mohammad Bin Fahd University)で新たに開学する視覚障害者大学(PSCVI:Prince Sultan College for the Visally Impaired)の教員養成課程の視察で使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 開放制を原則とした特別支援教育時代の教員養成:実地視察10年間の報告に見る必修要件未達成問題と質保証への課題2014

    • Author(s)
      加藤 宏
    • Journal Title

      筑波技術大学テクノレポート

      Volume: 21(2) Pages: 29-35

    • DOI

      http://hdl.handle.net/10460/1229

URL: 

Published: 2015-05-28  

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