2015 Fiscal Year Research-status Report
森林関連の実験・演習・実習を取り入れた幼・小・中を通した環境カリキュラムの開発
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24531188
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
奥野 信一 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (60281028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 桝夫 福井大学, 学内共同利用施設等, その他 (10020140) [Withdrawn]
石川 和彦 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (70369974)
岳野 公人 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70313632)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 踏車 / 雑木 / 間伐材 / 公害 / 鞴 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域に根ざした産業技術史の一例として,2014年度に「敦賀市中池見で使用された踏車の複製と,揚水作業の実際 -自然体験学習を視野に入れてー」(日本技術史教育学会全国大会)で発表したが,地元の咸新小学校児童に対して実際に踏車による揚水体験学習を実施した。この記録も含め,同学会誌に投稿予定である。 雑木・間伐材等の木質材料を利用した環境教育教材の開発を試み,「滋賀県の木質資源を利用した環境教育教材の開発」(滋賀大学環境総合研究センター研究年報)や,「雑木・間伐材を用いた幼児用玩具の製作と評価」(福井大学教育地域科学部紀要)に発表した。 また,戦前の公害に対する農村の反対運動について,「戦前の敦賀セメント株式会社の粉塵に対する一農村の対策 -奥野省三の樫曲区長日誌よりー」(福井大学地域環境研究教育センター研究紀要「日本海地域の自然と環境」)に報告した。 昔の技術に思いをはせ,その技術の有効性を理解させるため,越前打刃物製作に用いられていた(そして,デモンストレーションで今なお使用されている)手押し鞴の複製と,スケルトンモデルの製作に取りかかっている。スケルトンモデルを用いて,児童・生徒に鞴の構造と動作原理を教えることを狙っている。 絶滅危惧植物である越前ダイモンジソウの増殖に,福井県立坂井高等学校3年生(課題研究)の生徒と共に取り組んでいる。近い将来,元々の自生地(今はほとんど生育していない)に移植し,環境を復元することを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
鞴研究における複製作りと小・中学校での実践が出来ていない。踏車研究の投稿論文を準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
鞴研究について,学会発表と論文投稿を行う。踏車について,研究発表はすでに行っており,一般人や小学生に踏車体験を実施した。日本技術史教育学会において,実践論文として近々に投稿する。
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Causes of Carryover |
地域の技術史・環境教育の一環としての江戸時代の人力による揚水技術の体験学習を計画し,敦賀市中池見(ラムサール条約において指定された湿地帯)が水田だった頃に使用されていた踏車の複製をすでに製作した。その複製を用いた一般人や地元咸新小学生に対する体験学習を行ったが,それらを論文として投稿する費用として,次年度使用額の一部が必要となる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
地域の技術史・環境教育の一環としての越前打刃物製作に必要な鞴の性能をすでに実測した。同時に,複製製作に取り組んでいる。鞴の中がわかるようなスケルトン鞴の製作も計画している。内部を視覚化できることによって,小学生にも鞴の動作原理が容易に理解できると考えられる。これらについて学会発表するための旅費として,次年度使用額の一部を使用したい。
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