2012 Fiscal Year Research-status Report
普通科高校と大学の連携による高大接続教育を創造する課題研究の実践
Project/Area Number |
24531189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
大久保 貢 福井大学, アドミッションセンター, 教授 (80260561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 秀一 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40274500)
谷口 秀次 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70115301)
森 幹男 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70313731)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高大接続教育 / 高大連携 / 課題研究 |
Research Abstract |
本研究はこれまでの高大連携活動を実践した経験を基に、高校教員と福井大学の教員との連携により、普通科高校で「学びの基盤」を育て、しかも高大接続教育を創造する課題研究の実践を行い、この実践を通して普通科高校の教育と大学教育のスムーズな接続を図ることを目的に平成24年度から平成26年度の3年間の研究計画である。平成24年度は、高校教員と大学教員からなる「高大連携課題研究協議会」を設立した。この協議会では、大学における「課題研究」に関する意見交換や課題研究の企画、事前学習会を行った。企画した課題研究は「コンピュータを使った音声・音楽情報処理」をメインテーマとし、・気柱共鳴の実験と声道模型・混合ヘリウムガスをつかった音の実験・音叉を使った気導音と骨導音など7つの研究テーマから実践を行った。この課題研究はオープンキャンパスなどの大学の情報を伝える情報伝達型の一過性の高大連携でなく、長期的な視点にたって継続的に高大連携を実践し、高校生の資質を如何に伸ばしていくかという教育内容への支援を視野に入れた研究である。参加した高校生の感想として、「大学での研究を体験できて、またTA(大学院生)から学生生活について教えて頂き、有意義でした。」であった。また高校教育と大学教育のスムーズな接続を図る一環として大学教員が高校での授業を参観し、一方、高校教員が大学の授業を参観した。参加した高校教員の感想として「大学での授業は丁寧に行っていて、大変勉強になりました。」であった。またドミニカ共和国の高校、大学を訪問して工学系の模擬講義を行い、ドミニカ共和国における高校教育と大学教育の接続について調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、これまでの高大連携活動で実践した経験を基に、高校教員と大学教員との連携により普通科高校を対象とした高大接続教育を創造する課題研究の実践を行い、この実践を通して普通科高校の教育と大学教育のスムーズな接続を図ることを目的としている。そこで、平成24年度は以下の取組を実践してきた。① 高校教員と大学教員からなる「高大連携課題研究協議会」の設立、② 課題研究(テーマ:「コンピュータを使った音声・音楽情報処理」)の実践、③ 高校の授業参観と大学の授業参観を高大双方で実施した。この高大双方による授業参観により今までわからなかった高大双方の教育現場の現状や問題点が少しずつ明らかになり、お互いの共通認識が醸成されつつある。以上のことより普通科高校で「学びの基盤」を育て、しかも高大接続教育を創造する課題研究の実践を行い、この実践を通して普通科高校の教育と大学教育のスムーズな接続を図るという平成24年度の目的は「おおむね順調に進展している」と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの高大連携活動を実践した経験を基に、高校教員と福井大学の教員との連携により、普通科高校で「学びの基盤」を育て、しかも高大接続教育を創造する課題研究の実践を行い、この実践を通して普通科高校の教育と大学教育のスムーズな接続を図ることを目的に高大接続活動を実践してきた。今後の研究の推進方策として、化学系の課題研究を実践する。そして、高大双方の教育現場の現状や問題点をさらに明らかにするため、高校の授業参観と大学の授業参観を高大双方で実施する予定である。そして、普通科高校を対象とした高校教育と大学教育の接続を図るためには、これまでのAO入試の検証を実施する必要がある。そのため、高校教員と大学教員からなる「高大連携入試研究会」を設立し、大学入試の改善をはかる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大学で化学系の課題研究を実施するため、材料費(薬品、ビーカー、高分子材料等)で340千円、課題研究の指導するTA(大学院生)の謝金や高校教員の研究会出席への謝金として340千円、課題研究に参加するための高校生の送迎等に300千円、研究成果発表のための出張旅費120千円の計1,100千円。
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