2013 Fiscal Year Research-status Report
幼・小・中学校における睡眠教育プログラムの発展化と実用化に関する研究
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24531198
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
辻 延浩 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00378431)
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Keywords | 健康教育 / 教材開発 / 睡眠 / 授業研究 / 学級活動 / 総合的な学習の時間 |
Research Abstract |
小学校の学級活動および総合的な学習の時間における睡眠教育プログラムを作成し、その実践化を図った。学級活動の実践においては、「知識の活用」に焦点を当ててプログラムを作成した。また、総合的な学習の時間においては、児童が睡眠について調べたいテーマを設定し、調べた結果を発表するというワークショップ形式のプログラムを作成した。その結果、学級活動および総合的な学習の時間ともに、児童ならびに教師の授業評価は好意的(5段階評価の4または5が80%以上)であった。 続いて、睡眠教育をより充実させるために、小学生向けの睡眠教育テキストを作成し、小学3年生および4年生を対象に実践した。児童による評価では、「授業の楽しさ」「新しい発見」「授業内容の活用」および「テキストの効果」のいずれの項目においても高い評価(4段階評価の4または3が90%以上)が得られた。とりわけ、テキストの効果(今日の授業で使ったテキストの図や絵は役に立ちましたか)においては、4:「たいへん役に立った」の評価が3年生で63%、4年生で65%を示した。これらの結果から、今回作成した児童用テキストは、睡眠の授業に対して有効であると考えられる。 睡眠教育の実施状況について調査した結果、小学校体育主任おいては、教科(体育):50%、学級活動:48%、学級通信:71%、個別指導:50%であった。養護教諭においては、教科:42%(2007調査より+13ポイント)、学級活動:48%(+11ポイント)、保健便り:86%(+17ポイント)、個別指導:81%(+32ポイント)であった。養護教諭において睡眠教育の指導機会が増加していることが明らかになった。睡眠に関する研修会への参加状況(過去3年間)については、小学校体育主任が34%と、2007年に調査した一般教諭の5%に比べてかなり高かった。養護教諭の参加状況は52%(+14%)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに開発した保健科教育のプログラムに加えて、学級活動ならびに総合的な学習の時間を対象とした睡眠教育プログラムを作成し、その実践化を図ることができた。これにより、睡眠をテーマにした学習が、学校の実情に応じて使い分けできるようになった。 さらに、児童が主体的に授業に参加し、その活動を効果的に展開できるように児童用テキストの作成を試みた。このテキストの効果は高く、睡眠教育に対する児童ならびに教師の評価がより向上した。 昨年度実施できなかったオーストラリアの児童生徒を対象とした質問紙調査については当該倫理委員会の許可が認められず、実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度作成した児童用テキストの実用化を図るために、研究協力者の勤務する学校に配布し、実践の普及とその評価を行う。 最終年度にあたるため、これまでの一連の研究成果をまとめ、国内外の学会や研究会で発表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
児童用テキストの作成費が、当初予定していた金額よりも低く収まった。 これは、制作ページを6ページに絞ったことによる。 睡眠教育テキストの実用可に向けたスタッフミーティングおよび研究成果の公表のための旅費に補填する。
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