2012 Fiscal Year Research-status Report
「見る」力と「見せる」力を中心にしたメディア・リテラシー教育のための教材開発
Project/Area Number |
24531205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
寺岡 聖豪 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (80253368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳 和喜雄 奈良教育大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00225591)
赤沢 早人 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (50380374)
中村 敦雄 群馬大学, 教育学部, 教授 (60323325)
北野 幸子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (90309667)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メディア・リテラシー / 見る / 見せる / デジタル教科書 / 教材開発 / 幼小中一貫教育 |
Research Abstract |
本研究は「見る」力と「見せる」力を中心にしたメディア・リテラシー教育のための教材を開発することを目的とする。今年度は研究会を2回開催し,下記の通り,成果を得た。 ①リテラシー概念を俯瞰する「見取り図」を作成するために国内外の資料を収集し,分析した。「見る」力と「見せる」力を,教師と子どもの「教える」=「学ぶ」活動の両面より検討し,「聞く」,「話す」,「読む」,「書く」などとの関係を整理した。②幼稚園の子どもを対象に、好きな遊びの様子をビデオやデジカメで記録し、子どもの 興味関心を抽出し、その内容にあった、絵本の読み聞かせ、読み聞かせ後の対話、遊 びの変容について調査を行った。園での活動を子ども自身が振り返ることができるように、ドキュメンテーションの作成や家庭への情報共有の実践研究を試行的に行っ た。③群馬大学附属小・中学校との共同研究「国語科」を進めた。その成果の一端は「毎日新聞」平成25年2月9日・23日掲載の記事で紹介された。④三重県及び滋賀県の公立小・中学校の社会科の授業を参観し、記録したデータをもとにしながら、社会科授業における「見る力」「見せる力」を教師・子ども双方の力(指導・学習)の観点から検討するとともに、各種の学力モデル(学習指導要領、OECD-PISA)をもとに「見る力」「見せる力」についての能力像の整理を試みた。⑤24年度は、小中学校における「デジタル教科書」の活用(「見る、見せる」機能に着目して)について、(a)時間・内容レベルでは(単元レベル、1時間レベル)、(b)利用場面レベルでは(一斉授業場面、グループワーク場面、One to One 利用の場面)での実践的検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展していると判断した理由は以下の通りである。 ①高度情報化社会(知識基盤社会)において要請されるリテラシーを検討している文献を収集し,リストを作成できた。 ②幼稚園で,絵本の読み聞かせ,読み聞かせ後の対話、遊 びの変容について調査を行った。 ③小学校や中学校において,国語科と社会科の授業を参観し,「見る」力と「見せる」力について能力像を整理した。 ④デジタル教科書の活用状況を調査し,単元レベルや1時間レベルでの実践を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は下記の通り研究を進める。 ①リテラシー概念を俯瞰する「見取り図」を作成する。 ②幼稚園,小学校,中学校それぞれの段階において,各学校の教諭と協同しながら,「見る」力と「見せる」力を中心としたメディア・リテラシー教育のための教材を開発する。その際,幼小中それぞれの段階において教育課題を選定し,保育指導案および学習指導案(国語科と社会科)を作成する。 ③『「見る」力と「見せる」力の教育ハンドブック』の内容を検討し,その原案を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究計画では当初,資料整理のためにアルバイトを雇うことを予定していた。しかし,研究代表者が自身で資料を整理できたために,謝金を支払う必要がなくなった。そこで,これを含めて次年度使用額とし,以下のように研究費の使用計画を立てた。 平成25年度は下記の通り,研究費を使用する。 ①【施設備品費】リテラシーに関する図書を購入する。 ②【国内旅費】(a)協力校(幼稚園,小学校,中学校)において,保育,国語の授業,社会科の授業,デジタル教科書の利活用を調査する。(b)『「見る」力と「見せる」力の教育ハンドブック』の内容を検討するため,研究会を開催する。 ③【人件費】資料整理のためにアルバイトを雇う。そして,【その他】小冊子を作成する。
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Research Products
(2 results)