2013 Fiscal Year Research-status Report
「見る」力と「見せる」力を中心にしたメディア・リテラシー教育のための教材開発
Project/Area Number |
24531205
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
寺岡 聖豪 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (80253368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳 和喜雄 奈良教育大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00225591)
赤沢 早人 奈良教育大学, 教育学部, 准教授 (50380374)
中村 敦雄 明治学院大学, 心理学部, 教授 (60323325)
北野 幸子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (90309667)
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Keywords | メディア・リテラシー / 見る / 見せる / 情報端末 / 教材開発 / キー・コンピテンシー / プロジェクト型保育 / 言語活動 |
Research Abstract |
本研究は「見る」力と「見せる」力を中心にしたメディア・リテラシー教育のための教材を開発することを目的とする。今年度の研究成果は以下の通りである。 ①リテラシー概念を俯瞰する「見取り図」を作成するために,文部科学省『今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開』(2010)などを手がかりにして,「思考力・判断力・表現力」の育成について,現状と課題を分析した。その結果,「見る」力と「見せる」力は読む・書く・話す・聞く(リテラシー)の総合的な活動によって育成されるものであり,思考力・判断力・表現力の育成とも関わることが明らかとなった。②協力幼稚園と保育所において,「見る」「見せる」保育実践共同研究を行った。幼稚園ではルールへの認識,自分の気持ちの理解,他者への思いやりを育むために視覚教材を活用した。保育所ではドキュメンテーションを作成し,掲示することによって,幼児の振り返り場面が数多く見られ,プロジェクト型保育の継続的展開を確認できた。③情報端末を活用した小・中学校国語科におけるマルチモーダルな言語活動の可能性について,実践記録にもとづいて検討を行った。その結果,情報端末の導入は言語活動を活性化するだけでなく,「見る」「見せる」学習活動の質を向上させることにつながることも明らかになった。④見る力と見せる力の能力系統表(試案)をもとにメディア・リテラシー教材を開発した。奈良県内の小学校に勤務する教諭2名に協力を依頼し、社会科の授業などで利活用した。⑤2006年にヨーロッパで検討され,各国のカリキュラムや推進事業などに組み込まれた8つのキー・コンピテンシーを参考にしながら,「見る」力と「見せる」力を中心にしたメディア・リテラシー教育を検討した。また,教員がICTを活用する実践や児童生徒が各自1台のタブレット端末を利用する実践を取り上げ,利用可能な教材を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①高度情報化社会,知識基盤社会において要請されるリテラシーを検討している文献を整理し,リテラシー概念を俯瞰する「見取り図」をほぼ作成できた。 ②幼稚園や保育所との共同研究によって,「見る」「見せる」保育の実態を調査した。 ③小学校や中学校国語科における「見る」「見せる」学習活動の可能性を実践記録にもとづいて検討した。 ④見る力と見せる力の能力系統表(試案)をもとに、メディア・リテラシー教材を開発した。 ⑤国内外の「見る」「見せる」力を育成する教育実践を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は下記の通り,研究を進める。 ①研究代表者と研究分担者はこれまでの研究成果を日本教育メディア学会などにおいて発表する。 ②リテラシー概念を俯瞰する見取り図,「見る」力と「見せる」力を育成するメディア・リテラシー教材など,これまで取り組んだ成果をブラッシュアップし,『「見る」力と「見せる」力の教育ハンドブック』を作成し,情報教育に関わる実践者や研究者に配布する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究協力を得ている小学校教員の実証研究の準備過程の最終段階において、計画通り遂行できずに物品費を執行できなかったため。 平成26年度早々に物品費として執行し、平成25年度末の計画の未遂行分を取り戻すようにする。
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Research Products
(6 results)