2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24531206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
堺 正之 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (10170565)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 道徳教育 / 道徳の内容 |
Research Abstract |
1.道徳の「内容」の原理的研究の側面から 「道徳」の内容項目を構成する「四つの視点」の設定に至った1989年改訂以降の学習指導要領についての文献研究、また改訂に携わった関係者(大学教授2名)からの聞き取りをおこなった。 2.道徳教育の全体計画の側面から 学習指導要領総則の規定は、児童生徒が自ら育む道徳性が自己の生き方の指針として統合されるように、各教科、外国語活動、総合的な学習の時間および特別活動における道徳教育と、それらを補充、深化、統合する道徳の時間の指導とが、十分に関連をもって機能するようにしなければならないことを示している。今後は、道徳の内容との関連および指導の時期を全体計画のなかに設定し、その全体計画を各教科等の指導計画に反映させて具体的に展開するための工夫等、各学校での取り組みが重要になってくる。本研究では、道徳教育の全体計画に道徳の「内容」との関連の示し方について検討するため、教育委員会(広島県教育委員会、東京都教育委員会)からの聞き取り及び小中学校(広島県、愛知県、福岡県)における実践研究を中心とする資料の収集をおこなった。 3.1および2をふまえて、研究の一端を日本道徳教育学会第80回(平成24年度秋季)大会において発表した(2012年10月28日、鳥取県立倉吉体育文化会館)。発表テーマは「道徳の内容開発のための基礎的研究―道徳教育の全体計画において踏まえる「道徳の内容との関連」を中心にして―」である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由:資料の収集、インタビューについては、おおよそ当初の計画に沿って実施することができた。これらにもとづく成果を専門学会で発表し、研究交流もおこなうことができた。また、2年次以降の研究内容についても、2013年度における学会発表の予定が決まったことにより、一定の道筋をつけることができた。 ただし、インタビュー等を伴う研究については、本務との関係から出張の回数(日数)を減らすことが必要になることがあり、結果として旅費および謝金の一部を次年度に繰り越すこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
道徳授業論と道徳的価値の捉え方、内容解釈の特徴との関わりを検討する。今日の道徳授業に採用され、また採用することが提唱されている諸方法(いわゆる「基本型」をはじめとして、「モラルジレンマ授業」「スキル・トレーニング」「コミュニケーション・ルール」「構造化方式」等)について、実際の授業実践構想と記録に基づき、その基底にある諸要因を明らかにしていく。その際、特に現代的課題としての「法や規則の尊重」に関する授業を中心にする。 さらに2014年度の主たる研究テーマとしていた教職課程における「道徳の指導法」科目の改善の側面についても、これまでの実績をもとに学会発表の場を通じて研究交流をおこなう等、できる限り研究を進めておく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰越が生じた理由としては、出張の日程を調整して1回の出張で東京と愛知を訪問する等により、出張回数および日数を減らしたこと、また複写費・印刷費をあまり使用しなかったことがあげられる。 2013年度については、交付申請書に記載したとおり、道徳教育関係書籍の購入、研究テーマに関する学会(シンポジウム)発表のための出張旅費(6月と9月に予定)、専門的知識の提供を受けるための出張旅費と謝金、教育委員会および小中学校への資料収集のための出張旅費等に使用する予定である。
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