2013 Fiscal Year Research-status Report
グローバル時代における移民学習の教材開発-ポストコロニアルの視点から
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24531214
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
森茂 岳雄 中央大学, 文学部, 教授 (30201817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 京子 帝京大学, 教育学部, 教授 (50411103)
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Keywords | 移民学習教材 / ポストコロニアル / 移民博物館 / 多文化共生 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ポストコロニアルの視点から日系移民学習教材(主に読みもの教材)を開発し、それを活用した授業実践を行い、その意義と可能性を検証することである。2年目である2013年度は、当初次の2点を研究計画として行った。①日本からの出移民についての文献収集及び、博物館調査、②海外日系人へのインタビュー調査。 ①の文献収集に関しては、ほぼ主な文献の収集を終えた。博物館調査に関しては、国内ではJICA横浜海外移住資料館、及び海外では合衆国ハワイ州オアフ島のハワイ日本文化センター、プランテーションビレッジ、及びハワイ島のハワイ日本人会館を訪問し、博物館が開発している移民教材やそれを用いた教育活動について関係者から話しを伺い、資料収集を行うとともに、それをもとにいくつかの読み物教材の作成を行った。 ②に関しては、研究分担者で太平洋諸島をフィールドにしている中山京子がグアムを中心に日系人へのファミリーヒストリーについてのインタビュー調査を行い、それを読み物教材にまとめた。 当初の研究計画に加えて、作成した読み物教材を活用した学習活動案の作成も行った。(本読みもの教材と学習活動案については、2014年度に出版を予定している別のプロジェクトの研究成果の中にも反映させている。)また、本研究の理論的視点である「ポストコロニアル教育学」について、中央大学が招聘したサンフランシスコ州立大学のデイビット・ヘンプヒル教授の中央大学での講演記録「ポスロコロニアル教育学への招待ーグローバリゼーション/トランスナショナリティ/ハイビリディティー」を翻訳出版した。(中央大学教育学研究会編『教育学論集』第56集、2014年3月、169-201頁。)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた2年目の研究計画のうち、①の文献収集及び、博物館調査の内、前者については十分に達成できたが、後者の博物館調査については、前年度予定していて実施できていなかったハワイの博物館調査は行うことができたが、その他特に南米の博物館については双方の日程が調整できず行うことができなかった。②の海外日系人に対するインタビューに関しては、グアムを中心にしたマリアナ諸島について実施し成果を得た。 その他、本年度行った調査をもとにいくつかの読み物教材と、それを活用した学習活動案の作成も合わせて行った。また、前年度に行ったポストコロニアル教育学の研究者の講演論文の翻訳を行い刊行した。 以上により、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、南米へも日系人調査に行く予定であったが、双方の日程調整ができず行えなかったので、繰越金が発生した。次年度の研究費の使途については、繰越金も含め、①施設設備費として、古くなった研究室のパソコンのリプレイス、②旅費として、国内については前年度に引き続き博物館調査、及び国外については前年度実施できなかった南米への日系人・移民博物館調査費、③その他、それらの調査における関係者からの専門的知識の提供に関する資料や資料整理のための人件費として使用する計画である。 また次年度は、日本への入移民についての文献資料の収集や調査を行うとともに、在日外国人へのインタビュー調査を行い、それを読み物教材としてまとめる予定である。尚、本年度の研究計画の実施にあったては、中央大学からの研究費も併用する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度はハワイの他、南米へも日系人調査に行く予定であったが、双方の日程調整ができず行えなかったので、繰越金が発生した。また本研究のため、一部を中央大学からの個人研究費も使用したことも繰越金が発生した理由である。 次年度の繰越金も含めた研究費の使途については、①施設設備費として、古くなった研究室のパソコンのリプレイス、②旅費として、国内については前年度に引き続き博物館調査、及び国外については前年度実施できなかった南米への日系人・移民博物館調査費、③その他、それらの調査における関係者からの専門的知識の提供に関する資料や資料整理のための人件費として使用する計画である。
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Research Products
(6 results)