2013 Fiscal Year Research-status Report
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24531218
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
大矢 隆二 常葉大学, 教育学部, 准教授 (50554276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 宏 常葉大学, 教育学部, 教授 (20022296)
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Keywords | 投力向上 / 運動プログラム / ベースボール型 / 投動作 / 小学校体育 / 体つくり運動 / テキストマイニング / 体育科教育 |
Research Abstract |
平成25年度に実施した研究は、調査協力校における投力向上に関する授業実践を基に、「小学生の投力向上を意図した体つくり運動の実践的研究」を試み、学会発表および研究論文を執筆した。 具体的内容は、投力向上の運動内容について調査協力校の教員と検討を重ね、投力向上の運動プログラム(以下、プログラム)を開発した。このプログラムをマラソン授業後の20分間に取り入れ、同校が課題としてきた投力向上を試みた。プログラムは全6回の授業に組み込み、ボールを投げる運動を多様な動きづくりとした学習を行い、そこから派生する投動作の効果を指導前後の動作分析とそれに対する児童個々の感想文のテキストマイニングから、児童の思いを定量的に見いだし、効果的な体つくり運動の基盤づくりに活かすことを目的とした。 研究の意義は、学習指導要領に示された全学年実施の体つくり運動の必要性を見いだすために、投動作や児童の思いの変容を数値的に追究し、体つくり運動の効果を提示できたことにある。これらは、ベースボール型の授業づくりや基礎的な投げ方の学習に活用できると推測されるため、さらに活用しやすいプログラム内容の検証が必要である。 研究の考察として、動作分析では投距離については指導前後の有意差が見られ、投動作に関する体重移動やリリースポイントを含む投げる運動を繰り返すことで投距離が伸びることが判明した。テキストマイニング分析からは、難しさを感じる投げ方においても段階的な技能の習得に楽しさや嬉しさを感じていることが判明した。 これらの結果から、投動作を本格的に学習することも大切であるが、中学年においては短時間でも主運動前などに投げる運動を含む遊びや基礎運動を取り入れ、それらの回数をなるべく多くする試みを今後の年間学習計画に繰り込み、様々な運動のカリキュラムを展開していく際に考慮しても良いのではないかと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の成果を2学会で口頭発表した。第一に、「小学生の投力向上を意図した投げる運動の実践的研究ー第4学年の児童を対象としてー(日本教科教育学会 開催:岡山大学)について、第二に、「小学生の投力向上を意図した体つくり運動の実践的研究(日本体育学会 開催:立命館大学)について発表した。また、研究論文では、「小学生の投力向上を意図した体つくり運動の実践的研究」を執筆した(常葉大学教育学部研究紀要)。さらに、投力向上のプログラム開発を基に、「投能力を高めるデジタル体育教材」の開発を済ませ(2本目)、静岡県の小・中学校に配布した。なお、教員および児童生徒に対し、操作性・学習内容・学習理解などについてアンケートを求めた。これらのアンケート結果を基に、より、投力向上の体育学習に活用しやすいデジタル教材の開発を試み、全国に発信する計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年4月、5月に開催された静岡県の小・中学校の体育主任者研修会において、「投力向上対策」というテーマで口頭発表した。この研修会では、同県が課題としている体力低下(特に投能力)に焦点をしぼられていたため、これまでの投能力の研究成果を基に事例紹介および開発したデジタル教材を用いて具体的な対策について説明した。その際、データ提供を求めた学校(小学校40校、中学校20校)に対し、操作性・学習内容・学習理解に関するアンケート送付を依頼することができたため、学習内容の妥当性の検証、児童生徒の学習理解など内容の改善・修正に着手していく。平成25年度に開発したデジタル教材は、数校の教員との協議を基に開発したに留まったため、今後は全県からの建設的な批判や意見を踏まえた、より良い教材開発に着手していく計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の繰越金が分担校より振替ができていなかったため。 次年度に合わせて使用する。
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Research Products
(4 results)