2014 Fiscal Year Research-status Report
ESDを基盤とした子どもたちの大陸間交流活動とカリキュラム開発に関する研究
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24531221
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
宇土 泰寛 椙山女学園大学, 教育学部, 教授 (70465508)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 大陸間教育 / ESD / 水問題 / ユネスコスクール / ブルキナファソ / フランス / タンザニア / オーストラリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ESDを基盤とした子どもたちの大陸間交流活動とカリキュラム開発に関する研究であり、11月10日~12日に愛知県、名古屋市で開催されたESDユネスコ世界会議とも関わるものであった。特に、小学生・中学生の「ESDあいち・なごや子ども会議」は、全体会議の閉会行事で子ども会議の主張を全世界に訴え、その発表者に椙山小学校の児童が選ばれ、堂々と発表できた。そして、11月14日に、椙山女学園大学附属小学校で、ホールスクールアプローチとして継続してきた研究テーマ「水と生活」についての「ESD公開授業研究会」を開催することができた。しかし、この時期に、大陸間教育交流活動として協働していたブルキナファソ、フランス、オーストラリアとの国際シンポジウムを予定していたが、エボラ出血熱の流行で、打ち合わせや相互訪問ができず、開催を1年延期せざるを得なくなった。 そこで、昨年度のオーストラリアの水問題調査に引き続き、椙山小学校が交流しているアフリカのもう一つの国、タンザニアの水問題調査を行った。ここでは、西アフリカのブルキナファソと異なる東アフリカのタンザニアの様子を、首都ダルエスサラムの町や教育、水問題、ザンジバル島の歴史と水問題、日本の小学校の課題図書『ただいまマラング村』の舞台となったキリマンジャロ周辺の町や村、ティンガティンガアートの中心ティンガティンガ村の訪問と来日し椙小を訪問された絵師との再会、現地の公立小中学校の訪問とそこでの全児童のパソコンでの授業、日本人学校からのアプローチの可能性など、多くの新たなつながりや可能性を見出すことができた。中でも、タンザニアの街の中で売られている水が、郊外の川の水を汲んだだけで、ろ過もされていないという現場をJICAの案内で見ることができた。 次年度の水に関する国際シンポジウムへの大きな情報収集とつながりができたと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ESDユネスコ世界会議に関連し、子どもの代表を送り出し、椙山女学園大学附属小学校の公開授業研究会を実施できたのは大きな成果であったが、西アフリカで拡がったエボラ出血熱の影響で、大陸間交流の最も重要な対象国であるブルキナファソとの打ち合わせや相互事前訪問ができず、国際シンポジウムを1年間延期せざるを得なくなった。 しかし、もう一つのアフリカの交流国、タンザニアを訪問し、水問題やキリマンジャロコーヒーの農家の取材など、子どもたちへの新たな課題と教材化への準備などができたのは大きな成果であった。
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Strategy for Future Research Activity |
共通テーマ「水と生活」についての国際シンポジウムを2015年11月の東海ブロック国際理解教育研究大会(愛知大会・椙山女学園大学)で開催し、多くの教師の前で、研究成果を発表することにした。その国際シンポジウムのテーマは「世界の子どもたちが大陸を越えて学び合う”水と生活”」とし、ブルキナファソとフランスと日本の代表者で行うことにした。そのために、シンポジウムの事前打ち合わせとブルキナファソ支援活動を地域の学校が連携して展開しているフランスのアルザスの活動の参観を行うことにする。 そして、具体的な交流活動を展開するために、ユネスコスクールのネットワーク活動を考え、日本側の拠点を地域の中に設け、学校とも連携して行う。その方法として、まず問題を学び合うと同時に水に関するミュージカルを交流し合う予定である。この音楽交流を「大陸間ミュージカル・マイル」プロジェクトとして実施する。 地域の中の拠点づくりは、大学の近くの団地や商店街の活性化ともつなげ、家庭と学校を越える第三の空間として、「西山っ子地球広場」を設ける。この活動には、椙山女学園大学のゼミ生も参加し、地域の課題と地球的課題を子どもたちと探究することにした。活動の中に学びがあり、しかも、世界とつなぐ活動へと広げるのである。
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Causes of Carryover |
ESDユネスコ世界会議の開催時期に合わせて研究発表とブルキナファソ・フランス・オーストラリア・日本の代表による国際シンポジウムを行う予定であったが、西アフリカで発生したエボラ出血熱の関係で、事前打ち合わせのための訪問や準備等ができず、国際シンポジウムの開催を延期することとなり、次年度使用額が生じてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年11月に、椙山女学園大学で、東海ブロック国際理解教育研究大会を開催する予定である。そこで、多くの学校の教師や研究者、地域の人々を対象にブルキナファソ、フランス、日本の代表による国際シンポジウムを実施する。そのための事前打ち合わせとフランスのプロジェクトの見学などに使用する。 日本の地域の中の拠点づくりとしてURの団地と提携し、「西山っ子地球広場」づくりを行い、地域と学校が連携して、大陸を越えた交流活動を行う。その交流の方法として、ミュージカル・マイルとして音楽交流や学び合いの交流を行う。そのための準備や活動費として使用する。
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Research Products
(6 results)