2014 Fiscal Year Annual Research Report
盲・知的障害児の探索行動および認知機能の発達を促す教材・教具の開発
Project/Area Number |
24531230
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐島 毅 筑波大学, 人間系, 准教授 (20241763)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 盲・知的障害児 / 探索行動 / 認知 / 教材・教具 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,水平面の触空間における探索行動を促すための教材・教具の有用性の検証結果から,①課題遂行時の手の探索の方向(点状・同心円状・線状・面),②探索時の左右の手指の協調・分化,玉を落とす際の手の動き(指先か手掌か),③玉を落とす空間的位置の特徴から,盲幼児,盲・知的障害児の探索行動の評価の観点をまとめた。同様に,円柱さし課題における教材の重さ要因が盲・知的障害児の課題遂行に及ぼす効果検証研究より,円柱さしのような初期的な課題において触運動感覚フィードバックが明確になる重さの条件を示すとともに,円柱の持ち方や入れ方,触察の仕方の特徴から盲・知的障害児の触空間の把握の実態を捉える観点をまとめた。 また,円柱さし課題における触―運動感覚によって把握しやすい間隔要因と空間要因について検討を行った。空間要因は円柱をいれる穴を土台となる箱型内部にはめこんだ土台の平面上に穴がある条件(平面条件)および円柱をいれるケースを土台上にとりつけ,土台の上方に穴がある条件(立体条件)であり,間隔要因は穴の直径を基尺と穴と穴との間隔を基尺に対して0.5,1,1.5,2倍とし課題遂行時間から分析したところ,①空間要因では平面条件が,②感覚要因では狭い条件において遂行時間が短いことを検証し,これらの条件が触―運動感覚によって把握しやすい教材の特性であることが示唆された。 以上を含め,これまでの研究成果を総括し総合的に研究成果の知見を,視覚障害児の認知発達の評価に基づく指導法とカリキュラム開発に発展に向けた視点から整理,報告書にまとめると共に,学術誌等において研究成果を発表した。
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