2013 Fiscal Year Research-status Report
学習におけるユニバーサルデザインの統合モデルの構築とCASTとの比較研究
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24531234
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
懸川 武史 群馬大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (20511512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 あけみ 群馬大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10222613)
音山 若穂 群馬大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (40331300)
霜田 浩信 群馬大学, 教育学部, 准教授 (80364735)
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Keywords | UDL / 学力形成 / 包括的アプローチ / PBIS / PBL / ピア・サポート / 真性の評価 / 課題解決型教育実践 |
Research Abstract |
1 視察研修:アメリカシカゴFrankC.Whitelry SchoolにてRTI(Response to Intervention)、PBIS(Positive Behavior Intervention and Support) と、インディアナポリスBartholomew Consolidated School CorporationでのUDL(Universal Design for Learning)について視察研修(11/21~11/28)を行った。学力形成における教育システムの理論的背景、教育実践でのマネジメント、アセスメント(評価)に関する内容を得られた。福島県西白河郡中島村立滑津小学校及び栃木県鹿沼市立みなみ小学校において、UDLの教育実践を視察した。授業前の取り出し指導の多様性、教科指導における児童の学びの過程が明確になった。両者の比較により、アメリカの視察地ではUDLの理念に基づくの包括的なカリキュラムに基づく学力形成への教育実践が、学校区内で行われている。さらに、学校区内の教育活動の特徴について授業を受ける児童生徒、保護者、学校区外の者が認知している。一方国内においてはUDLの理念に基づいた教育実践の多くは、校内研修、学年・学級経営単位の教育活動の枠を出ていない状況と考えられ、UDLを導入する段階で包括的な教育活動を意図しているか明確にする必要がある。 国内の教育課題の中核である学力形成を、新しい教育評価(アセスメント)の考え方とその方法の背景から検討し、既存の学力テストとUDLの融合を図る必要がある。 2 実践研究:群馬大学教育学部附属子ども総合サポートセンターにおけるUDLの実践研究を、UDLの理念に基づき、①収集したデータの授業分析、②単元デザイン、③授業公開、④UDLに関するマネジメントの考察により行った。学習の主体者である児童生徒一人一人の学びの保障をどのようにデザインするか試行錯誤の段階であるが、先進地での授業展開からUDLの独自のモデル構築へつながるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1 視察研修により、アメリカでの学力形成におけるトップダウン型、ボトムアップ型の教育実践においてそれぞれ教育成果をあげており、学校教育が抱える課題に応じた包括的なアプローチの存在を確認することができた。また、児童生徒の学力形成を促進するスタンダードや評価(アセスメント)の捉え方や21世紀スキルなどの教育の枠組みからUDLを検討することは有意義であった。 2 日本の教育風土で醸成可能なUDLモデルを構築するにあたり、先進校が抱える課題が明確化された。 3 実践研究により、UDLの理念に基づく教育実践マネジメントに基づく①教育課程編成の段階で年間計画へ位置づけ、②単元の設計、③授業の展開の工夫の在り方が明確化された。
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Strategy for Future Research Activity |
1 子ども総合サポートセンターでの実践研究により、国内の教育風土で醸成可能なUDL モデルの構築、授業実践、モデルの検討を円環的に実施し確立を図る。UDLモデル構築 に際し、「児童生徒一人一人の学びの保障」と「全国学力・学習状況調査」との融合を 図る。 2 国内でのUDLの理念を支える理論背景の明確化を行い、UDLの枠組みを提示する。 3 群馬大学公開講座にて、受講者のUDLについての理解を包括的なアプローチの在り方 から深める。受講者の勤務校でのUDL導入による教育実践をサポートし、UDLモデルの検 討・改善を行う。 4 日本LD学会においてシンポジウムを企画・実施し、評価を受ける。 5 研究報告を研究メンバーが所属する学会にて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
懸川、霜田の予算執行において、旅費の不足分を考慮にいれ前倒し支払を希望し概算払いにて支出請求を行った。 その後、出張旅費等の支払を行う段階で、2名の合計38,066円が残金として発生した。 今年度、国内視察旅費として使用し、3年間の成果のまとめに反映させる。
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Research Products
(1 results)