2015 Fiscal Year Annual Research Report
小学校低学年を対象とするリテラシー・アセスメントに基づく学習支援プログラムの開発
Project/Area Number |
24531236
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
安藤 壽子 お茶の水女子大学, 学校教育研究部, 教授 (10619175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸口 裕二 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (50597739)
原 惠子 上智大学, 外国語学研究科, 准教授 (00583741)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ディスレクシア / アセスメント / 読み書き指導プログラム / 小学校低学年 / 通級指導教室 / 特別支援教室 / インクルーシブ教育システム / 連続的な学び |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小学校低学年児童を対象とするリテラシー・アセスメント(読み能力スクリーニング検査)の開発、及び、読み書き困難児のための学習支援プログラムの作成を目的とした。 通常の学級には、知的発達に遅れが無く読み書きに特異的な困難を示す児童が2.4%在籍すると報告され(2012年全国調査)、彼らに対する早期発見・早期介入の必要性が示唆された。読み書き能力は学習の基礎・基本であり、低学年段階からの特別な指導・支援は、読み書き困難による学力低下を予防し、全般的な学力向上にも寄与する。さらに、不登校、反社会的・非社会的行動等、様々な学校不適応の予防にもつながることが指摘されている。 本研究は、小学校低学年を対象とするディスレクシア簡易スクリーニング検査(ELC:Easy Literacy Check)を開発した。ELCは、教育現場で簡便に扱うことができ、児童への負担も少ないことを意図した。スクリーニングの結果、ディスレクシアの兆候(認知的特異性)を捉え、通級指導教室や特別支援教室(リソース・ルーム)等、現在ある特別支援教育のリソースを有効に活用し、また、専門機関等と連携することによって、適切な読み書き指導・支援が低学年段階から開始されることが可能になる。本研究は、さらに、通級指導教室や特別支援教室における個別指導、あるいは、小集団指導の場で活用できる読み書き指導プログラムの作成を試みた。これにより、インクルーシブ教育システム構築のための通常の学級をベースとする連続的な学びの場の実現が期待される。
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