2015 Fiscal Year Annual Research Report
通級による指導(言語障害)における自立活動のカリキュラム開発に関する研究
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24531237
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
藤井 和子 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (00272881)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 通級による指導 / 自立活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
言語障害通級指導教室の対象となる児童の障害の多様化の実態を明らかにする(研究1)とともに、自立活動のカリキュラムを開発する言語障害通級担当教師を対象にこれまで実施した自立活動の指導の課題と今後の展望についての考えを明らかにした(研究2)。研究1では、全国の言語障害通級担当教師を対象に、郵送による質問紙調査を実施した。164名の教師から回答が得られ、医療機関において発達障害の診断を受けている通級児(診断有り児)は351名(10.3%)であり、発達障害の診断はないものの通級担当教師からみて発達障害を併せ有すると判断される通級児(判断有り児)は、666名(19.5%)であった。判断有り児については、学級担任教師における通級児の発達障害の特性やそれによる学習上又は生活上の困難についての気づきには個人差があることが想定され、教師の気づきに応じた連携を行っていくことが重要であることが示唆された。研究2では、ベテランの言語障害通級担当教師を対象に、発達障害を併せ有する通級児に対する指導上の課題と対応のあり方について明らかにするために半構造化面接を実施した。面接内容の録音を逐語録化し、佐藤(2011)を参考にコーディング及び概念の生成を行った。9つの概念が生成され、発達障害を併せ有する通級児の指導上の困難の背景には、【構音障害の重視】を要因として、自立活動の指導の前提となる学級担任教師等との連携が構築されてこなかったという課題があるのではないかと考えられた。そして、この課題に対して、【チームアプローチ】によって解決しようとしていることが考えられた。 研究期間全体を通じて実施した研究から、実施してきたカリキュラムの実態と課題、カリキュラムを開発する通級担当教師の実態と課題意識を明らかにすることができ、今後の自立活動のカリキュラム開発に関する基礎的知見を得ることができた。
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