2014 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害児の小集団指導におけるチームティーチング:指導者の位置取りの観点から
Project/Area Number |
24531238
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
村中 智彦 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (90293274)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | チームティーチング / 知的障害 / 自閉症 / 小集団指導 / 課題遂行 / やりとり |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、知的障害・自閉症児の小集団指導において、対象児個々の課題遂行や仲間同士のやりとりを高めるための手続きを検討することであった。 3年目の26年度では、知的障害・自閉症児を対象に、2つの小集団指導(A)と(B)を実施した。小集団指導(A)は、前年度の臨床研究の成果を発展させ、小集団指導における仲間同士のやりとりを高める手続きを検討した。先行研究では、小集団指導での仲間同士のやりとりを促す手続きとして、集団随伴性(group- contingency)が示されている(小島,2000)。そこで、特別支援学校・支援学級に在籍する1~3学年の知的障害・自閉症児6名を対象に、小集団指導において個人随伴性と集団随伴性を適用し、仲間同士の援助行動に及ぼす効果を検討した。大学研究センタープレールームで、4~11月の約8か月、週1回のペースで、約60分の小集団指導を29回実施した。指導の結果、集団随伴性の課題なしの時間において、他児への観察や他児へのプロンプト等の仲間への肯定的な援助行動が高まることが示された。 小集団指導(B)は、知的障害・自閉症年長幼児4名を対象に、「始めの会」の小集団指導を実施した。対象児個々の課題遂行が生起するにつれて、補助指導者STの人数や位置取りを変更し、効果的なチームティーチングについて検討した。大学研究センタープレールームで、5月~1月の約8ヶ月、週1回、計25セッションを実施した。STの支援行動は、ST2名の条件で、ST4名よりも低くなった。STが個別支援を行うST4名の条件では、STの対象児の課題遂行に直接関係しない働きかけが多く含まれていた。STが2名に減ったST2名の条件では、STの位置取りが対象児の後方の離れたことで、対象児の課題遂行に直接関係しない働きかけが減り、対象児の課題遂行の自発レベルは高まったことが示された。
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