2012 Fiscal Year Research-status Report
先天性盲ろう児の共創コミュニケーションに関するデータベースの構築
Project/Area Number |
24531240
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
土谷 良巳 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (00142000)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅井 裕行 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (90290890)
岡澤 慎一 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (20431695)
笹原 未来 福井大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (90572173)
中村 保和 群馬大学, 教育学部, 准教授 (60467131)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 / オランダ / 英国 |
Research Abstract |
初年度であることから、研究代表者と分担者(計5名)が保有している先天性盲ろう児とのコミュニケーションに関するビデオ映像資料に関して、データベースの一次資料となるビデオクリップの妥当性を検討する協議会を4回(平成24年7月:宇都宮大学、9月:群馬大学、12月:横浜開港記念会館、3月:群馬大学)開催した。 その結果、対象となる先天性盲ろう児は15名であり、36のビデオクリップに関して全員で視聴し検討した。また、36のビデオクリップに関してそのエピソード記述と説明事項に関する基礎資料を作成した。 対象児とビデオクリップの概要は下記の通りである。 対象となる先天性盲ろう事例:事例1(先天性風疹症候群、弱視難聴+知的障害)、事例2(低出生体重、盲高度難聴+知的障害、肢体不自由)、事例3(原因不明、盲ろう+知的障害、肢体不自由)、事例4(原因不明、盲ろう+知的障害)、事例5(原因不明、盲ろう+知的障害、肢体不自由)、事例6(原因不明、盲ろう+知的障害、肢体不自由)、事例7(原因不明、弱視難聴+知的障害、肢体不自由)、事例8(チャージ連合、弱視難聴+知的障害、肢体不自由)、事例9(エマヌエル症候群、盲高度難聴+知的障害、肢体不自由)、事例10(低出生体重、盲難聴)、事例11(チャージ連合、盲ろう+知的障害、肢体不自由)、事例12(多発奇形症候群、盲難聴+知的障害、肢体不自由)、事例13(原因不明、盲ろう+知的障害)、事例14(低出生体重、弱視難聴+知的障害)、事例15(原因不明、弱視難聴)である。 検討した36ビデオクリップは、先天性盲ろう児と係わり手との二者間の直接的コミュニケーション(dyadic interactions)に関して9クリップ、モノを介在させた3項間のコミュニケーション(triadic interactions)に関して27クリップであった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究実施計画にある、1)研究代表者及び分担者が保有するビデオ映像資料から一次資料となるビデオクリップを収集しその妥当性を検討することに関しては、全体で50前後のビデオクリップの収集が見込まれるが、今年度はその8割程度(36ビデオクリップ)に関して検討をすませることができた。また、2)収集・検討したビデオクリップを暫定的にRodbroe, I. and Janssen, M.(2006) Communication and congenital deafblindness: Congenital deafblindness and core principles of intervention.における「共創コミュニケーション」パラダイムの枠組みに当てはめ、その妥当性に関して検討することに関しては、暫定的な「共創コミュニケーション」パラダイムを構成する「dyadic interactions」と「triadic interactions」に関しては検討を終えた。パラダイムを構成する残りの「dialogue:narrative, meaning making, negotiation」に関しては平成25年度前半に検討する予定である。 以上の作業は4回実施した研究協議会において研究チームの全員によりなされたが、作業の手順が共有されるとともに効率的に進めることができるようになってきている。また収集・検討したビデオクリップ・ファイルはインターネットのcloud上に共有することになり、研究分担者がそれぞれの本務地で作業を進める環境も整いつつある。以上のことから、平成25年度以降に取り組む作業は加速すると見込まれ、研究の進捗状況はおおむね順調であると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、1)平成24年度に引き続き、暫定的な「共創コミュニケーション」パラダイムを構成する「dialogue:narrative, meaning making, negotiation」に関するビデオ映像を収集し、データベースの一次資料となるビデオクリップとしての妥当性を検討する。2)暫定的な共創コミュニケーションのパラダイム(Rodbroe, I. and Janssen, M.(2006) Communication and congenital deafblindness: Congenital deafblindness and core principles of intervention.)に関して、その妥当性を検討する。3)以上の作業を並行して進めつつ、収集した全ビデオクリップに関して、3-1)データベースとしての妥当性の検討、3-2)データベースとしての解説事項の検討、3-3)データベース化する規格としての最適化を計る。 平成26年度には、1)オランダ及び、英国を訪問し、収集したビデオクリップをもとに共創コミュニケーションに関するデータベースを作る上での助言を受ける。協議の観点は、1-1)共創コミュニケーションのパラダイムに関する意見交換、及び1-2)収集したビデオクリップの妥当性に関する検討である。また、2)再検討・修正(予定)した共創コミュニケーションのパラダイムの枠組みによって、収集したビデオクリップによりデータベース(案)を作成する。 最終年度の平成27年度には、データベースをDVD化するとともに解説文を付けることで、「先天性盲ろう児との共創コミュニケーション」に関するブックレットを作成し、公開する。また研究報告書を作成する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費は全額を研究分担者との協議会を実施するために使用する予定である。 平成26年度の研究費はオランダ及び英国への訪問(資料収集及び協議)及び、研究分担者との協議会を実施するために使用する予定である。訪問の日程に関して、現時点において先方(Marleen, Janssen 教授:University of Gronningen、オランダ及び,Paul Hart博士:SENSE Scotland、英国)と打ち合わせを行っているが、先方の事情によっては平成25年度中に訪問することになる可能性がある。その場合は平成26年度の研究費を一部前倒しして使用することにする。 平成27年度の研究費は、研究分担者との協議会の実施及び、ブックレット、報告書の作成に関して使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)