2012 Fiscal Year Research-status Report
ICT活用による特別支援教育プログラムの構築と新しい能力観提案に関する実践的研究
Project/Area Number |
24531251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
坂井 聡 香川大学, 教育学部, 教授 (90403766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 英一 香川大学, 教育学部, 教授 (30253248)
小方 朋子 香川大学, 教育学部, 准教授 (80284339)
武蔵 博文 香川大学, 教育学部, 教授 (00262486)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 特別支援養育 / ICT / 携帯型情報端末 / 支援技術 |
Research Abstract |
香川大学教育学部附属特別支援学校と香川大学教育学部附属坂出小学校の協力を得て、携帯型情報端末を活用した授業を行った。授業で活用したのは、企業と共同で完成させたアプリケーションであり、手順等を写真やカード動画などを使って、わかりやすく伝えるための絵カードアプリケーションと、見えない感情を表現できるようにするための、感情表現アプリケーションである。絵カードアプリケーションの活用では、音声による指示理解が困難な児童生徒も、視覚的な情報を活用しながら授業の流れと課題を理解し、授業に取り組んでいる様子が見られた。手順をわかりやすく示す方法の活用は、授業のなかだけにとどまらず、買い物等の手順を示すうえでも効果的であり、児童生徒の社会参加の幅を広げることにもなることが示唆された。また、感情表現のアプリケーションは、道徳の授業と授業の振り返り、日記の指導等で活用した。道徳の授業では、感情表現することが苦手な児童が、登場人物の気持ちを考えて発表することができたりするなど、見えない感情を視覚化して表現できる携帯型情報端末の特性を生かした指導が可能であることが示された。また、児童生徒の中には、コミュニケーションエイドとして携帯型情報端末を活用し、要求などをそれを使って表現できるようになったものもおり、音声で伝えることが困難な知的障害のある児童生徒のコミュニケーションを引き出すことも可能であると考えられる。このような児童生徒の場合、知能検査の結果が、情報端末活用時と非活用時では大きく異なっており、正しい評価は、コミュニケーションエイドとして情報端末を活用したときであると考えられる。これら研究の成果については、今後学会等で広く発表していかなければならないと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
学校の協力も得ながら授業を展開できている。また、アプリケーションについても、スマートフォン用のアプリケーションを企業と共同で完成させることができたので、これらを用いた授業も今後展開できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の進め方で継続していこうと考えている。特別支援学校については学校種を増やすことと、幼稚園等の協力が得られるようにし、就学前の子どもたちへの活用についても取り組んで行きたいと思っている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、前年度の資料を整理し課題を明らかにするとともに、学会等への参加をとおして資料収集を中心に進めていきたいと考えている。共同研究者にも情報収集を依頼するようにし、幅広く情報を集めたいと考えている。
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Research Products
(3 results)