2013 Fiscal Year Research-status Report
ICT活用による特別支援教育プログラムの構築と新しい能力観提案に関する実践的研究
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24531251
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
坂井 聡 香川大学, 教育学部, 教授 (90403766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 英一 香川大学, 教育学部, 教授 (30253248)
小方 朋子 香川大学, 教育学部, 准教授 (80284339)
武蔵 博文 香川大学, 教育学部, 教授 (00262486)
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Keywords | ICT / 特別支援教育 / 情報端末 |
Research Abstract |
特別な支援が必要な児童生徒に対して、ICTを活用した授業提案等を行った。共同研究者の宮﨑とともに、電子マネーを使った買い物の練習ができるような教材を開発し、それを利用して買い物の指導を行った。知的障害のある特別支援学校の中学部の生徒の協力を得て実施した実践研究では、財布からお金を出して買い物をすることができなかった生徒も、ICカードを使って練習後は、学校近くのコンビニエンスストアーで、全員が買い物をすることができた。これまでの生徒の評価は、お店での買い物をすることはできないというものであったが、ICカードの利用により、買い物をすることができるという評価に変わった。 上記のような実践は、ICTの導入が生徒の本来の力を引き出すことにつながる可能性があることを示唆している。従来の指導方法では確立されなかった買い物行動が、今回、ICカードを用いたことで、買い物を実行することができたからである。 また、スマートフォンを使った研究においては、富士通デザインと協力して行った研究で、感情表現等見えなかった気持などを見えるようにすることで、児童、生徒の表現の幅が広がったことも確認された。携帯型情報端末による視覚化の効果が、知的障害や発達障害のある児童生徒にとって有効な表現手段になりうることが示唆される。 今回の実証実験では、附属特別支援学校だけではなく、香川県教育委員会の協力も得ることができた。大学の治験だけでは不十分な部分を企業の持つノウハウの活用によって補い、その結果を教育現場で実証実験するという好循環を作ることができたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実証実験においてICT活用の効果を確認することができたと考えている。また、教育委員会との連携が図れたことにより、成果を地域の学校で活用することができると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究については、情報端末等の機器を使った新しい教材等の開発についても考えてみたい。知的障害等のある児童生徒に対する教材の開発は十分とは言えない部分がある。個の実態に応じて指導する教師が授業で活用することができるように考えていく。その際、授業研究も同時に実施し、具体的な活用方法についても提案していきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)