2013 Fiscal Year Research-status Report
漢字書字困難児の書字運動の特異性に関する基礎的研究
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24531254
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
園田 貴章 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (40171392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 泰久 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90253583)
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Keywords | 教育学 / 特別支援教育 / 学習障害 / 漢字書字障害 |
Research Abstract |
漢字書字困難児の内,開発した漢字学習支援システムを,継続的に活用した児童はA児(小6)とB児(小4)であった。本システムは,字形の間違いが主な傾向である児童には適するが,漢字の意味と字形が一致しない同音異字(「明るい」を「赤るい」)や同じグループの別の漢字を書く意味類似(例:「歩いて」を「走いて」)による書字困難児に対しては,システムへの機能追加を検討する必要がある。 A児は,システムの手本エリアに漢字全体が示され,かつ,書字エリアになぞり書き用の漢字が薄く表示される方法で学習した。B児は手本エリアに筆順にそって一画ずつ表示される方法を選び,書字エリアになぞり書きが提示される方法を選ばなかった。漢字書字困難児の場合,学習方法に好み(学習方法の偏り)があることが推測された。ただ何回も漢字を書かせるのではなく,その子にあった学習方法を選ぶことが重要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は,漢字書字困難児の書字運動の特徴を見出すことを目的としているが,書字困難児によって学習方法の好み(学習方法の偏り)があることが推定され,その偏り方によって,書字学習の困難をスクリーニングできる可能性があることは分かったが,書字運動それ自体の特徴の検討まではまだ至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
いくつかの学校に依頼し,書字困難児の紹介を得て,小学校1年生で学習する漢字(象形文字)を書かせることによって,書字運動の特徴を更に検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究の目的は,漢字書字困難児の書字運動の特徴を見出すことを目的としているが,書字困難児によって学習方法の好み(学習方法の偏り)があることが推定され,その偏り方によって,書字学習の困難をスクリーニングできる可能性があることは分かったが,書字運動それ自体の特徴の検討まではまだ至っていない。平成25年度に大量調査を予定し,人件費等に充てる予定であったが,それが実現できなかったため。 すでに、漢字学習支援システムは完成した。また,必要な機器の購入も終えた。今年度は,いくつかの学校に依頼し,漢字書字困難児を多数紹介していただき,漢字書字運動の特徴の分析を行うための大量調査のための人件費等に使用する計画である。
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Research Products
(6 results)