2012 Fiscal Year Research-status Report
子供の社会参加促進に向けた長期的目標設定のためのiPadアプリケーションの開発
Project/Area Number |
24531257
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
友利 幸之介 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (90381681)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 龍太郎 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (40325973)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 特別支援教育 / ICT / 作業療法 / ADOC / iPad / 目標設定 |
Research Abstract |
ADOCs(ADOC for school)を開発するために,今年度は以下の3点について検討した.1) 海外の子どもの活動・参加に関連する評価ツールを調査し,特に目標設定を目的とした評価ツールを試用した.2) ADOCsのペーパープロトタイプを作成した.3) ADOCsの項目・イラストを決定した.1)の結果,国内外の活動と参加に関する評価ツールにおいてイラストを用いたものはあったものの,ADOCsのようなアプリケーションを活用したものは見当たらなかった.また目標設定の際に分かりやすいイラストを用いることで,活動をイメージしやすくなり,また幅広い項目を網羅することで,子どもの生活全体の活動に焦点を当てることができると考えられた.2)の結果,ADOCs面接プロセスは,①目標設定参加者の決定,②問題の抽出,③短期目標の設定,④長期目標の設定,⑤支援プランの作成の5つとした.また教育関係者によるヒアリングや,文献検討の結果,ADOCsは,現状の本人・保護者・教員・支援者との間に存在する様々な問題点に対応し,子どもの目標設定において重要と考えられている要素を網羅していると考えられた.さらに,携帯情報端末用アプリケーションである特性を生かして,情報共有の効率化,情報セキュリティ性の担保,目標・支援プラン作成者の業務負担軽減が期待できることが示唆された.3)の結果,国内外の活動と参加に準拠した評価ツールの項目を集め(全841個),ICF-CYを基準に,子どもが通常行っている日常生活上の活動を階層的に整理した結果,4つの大項目に分類された68項目の活動が選出された.この68項目は,ADOCと比較し,子どもの特徴的な活動も選出されていると考えられた.これらの活動は子どもが通常行っている日常生活上の活動を全て網羅していると考えられた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ADOCsの基本コンセプト開発については上記の通り順調に進めることができた.現在,エンジニアとアプリケーション開発に取り組んでいる.我々がペーパープロトタイプで計画していたインターフェイスや遷移などをプログラミングするにあたり,エンジニアより多少の修正および改善案が提案された.そのため,アプリケーション開発が計画当初の予定より若干遅れているが,3年間の研究期間全体としては許容できる範囲である.むしろ,アプリケーション自体は当初予定していたものより改良されており,研究の波及効果としては当初より大きくなることが期待できる.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度はアプリケーションを開発し,臨床での実用性の検証を行う.対象は幼稚園~高校までの生徒および就労支援を受けている対象者50名と,その保護者を予定している.研究代表者,作業療法士,教員が,子供および保護者へ本研究の目的・負荷・危険性を十分に説明し,同意を得て実施する.全ての対象者はADOCsを用いて目標設定を行う.その後,目標設定のプロセスを共有できたか検証するために, Shared decision making Questioneare-9の項目を参考に独自に作成した意思決定共有シートに回答してもらう.また決定した目標が対象者にとって適切であったかどうか確認するために,決定した各目標について10段階で採点してもらい,点数が高いほど目標は妥当であったと仮定する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アプリケーション開発費,臨床データ収集に関わる費用,研究打合せ費用,論文および学会発表に伴う英文校正費用などが必要となる.
|