2013 Fiscal Year Research-status Report
子ども参加型援助チームモデルの開発-発達障害がある子どもの援助に焦点をあてて-
Project/Area Number |
24531262
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Research Institution | Tokyo Seitoku University |
Principal Investigator |
田村 節子 東京成徳大学, その他部局等, 教授 (40549151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
家近 早苗 聖徳大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40439005)
石隈 利紀 筑波大学, 学内共同利用施設等, その他 (50232278)
水野 治久 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80282937)
牟田 悦子 成蹊大学, 文学部, 教授 (90276650)
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Keywords | 特別支援教育 / 援助チーム / 学校心理学 / 子ども参加型援助チーム / 子ども・保護者・教師 / コーディネーター / 相互コンサルテーション / コンサルテーション |
Research Abstract |
今年度は2つの研究活動を行った。①「子ども参加型援助チーム」“student-participated support team ”(SPST)モデルを開発するために、前年度に収集した当事者の質的データを分析した。質的分析ソフトMAXqdaを用いて分析した結果、学校生活の苦戦が多く語られ、子どもが発達障害を自覚しずらいことが明確となった。「子ども参加型援助チーム」では、子どもの欲求(wants)と援助ニーズ(needs)をどうアセスメントし援助活動に結びつけるかが課題としてあげられた。 ②、①の結果を受けて、次年度「子ども参加型援助チーム」モデルの実践協力校に依頼するにあたり研究の一環として、すべての子どもを対象とした「子どもの学校生活の質(Quality of school life)向上のためのパッケージ(仮題)」を作成した。パッケージは「すべての子ども」と「援助ニーズが大きいこども」それぞれに対して、子ども向け、保護者向け、教師向けで構成した。予防や援助ニーズが大きな子どもの発見では、子どもや保護者向けのアンケートシートの作成、表情を読み取るトレーニングを兼ねたカードゲームの開発を行った。保護者向けでは、保護者会での心理教育研修会資料や研修内容を作成した。教師向けでは、子どもや保護者対象アンケートシートの活用の仕方や、教師が子どもの会話の頻度をチェックすると自動で要注意な子どもがわかる「会話チェックシート」を開発した。「援助ニーズが大きいこども」については、子ども向けに「睡眠&生活チェックシート」を開発し、子ども参加型援助チームの活動を行うために、すでに開発済みの援助シート(石隈・田村、2003)を改訂した「子ども参加型援助チームシート」を作成した。これらのパッケージは学校関係者に提示し検討された。次年度の実践で活用する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、当事者の回顧法によるインタビュー調査の研究結果と先行研究から「子ども参加型援助チーム」モデルの仮説を暫定的に生成した。予定では、臨床的妥当性を検討しSPSTのモデルを確定する予定であったが、下記の理由によりモデル確定については平成26年度に行う。 「子ども参加型援助チーム」モデルを実施候補の管理職に対して学校全体の援助についても提案する必要が生じた。そのため不登校・問題行動の予防や援助ニーズが大きな子どもの発見についても研究の一環として「子どもの学校生活の質(Quality of school life)向上のためのパッケージ(仮題)」を作成した。この開発に時間を要したため、平成25年度はSPSTモデルの確定までには至らなかったが、平成26年度はモデルの実践を速やかに行える予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、最終年度として下記の4つの研究活動を行う予定である。①コーディネーターへのインタビュー調査と分析を引き続き行う。②実施協力校で実際に発達障害のある子どもに対して「子ども参加型援助チーム」モデルにそって実践を行い、その結果を検討する。検討に際しては、研究倫理を遵守し保護者や子ども、教師からのフィードバックを得る。課題が発見された際には、モデルの修正を行い年度末には最終的に「子ども参加型援助チーム」モデルを確定する。③研究の一環として開発した「子どもの学校生活の質(Quality of school life)向上のためのパッケージ(仮題)」を実践しデータを収集する。④本年度の研究成果を集約し「子ども参加型援助チーム」モデルについて発表する準備を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初調査を行う予定だったが、研究対象校選択が次年度になったため。 研究対象校の選出が終わり、対象校の許可が出しだい調査費を繰り越して使用する予定である。
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Research Products
(12 results)