2012 Fiscal Year Research-status Report
認知神経心理学的評価に基づく読み障害児の英語学習支援に関する実践的研究
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24531264
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石坂 郁代 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (70333515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 玲子 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (70406908)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 発達性dyslexia / 英語指導 |
Research Abstract |
1.研究の第1段階として,英語の読み書きスクリーニング作成のため,中1~中3の教科書より検査語彙を中1~中3で名詞各25単語および動詞各10語選定した。日本語の語彙から英単語への変換を,「日本語の単語を聞く→それに相当する英単語を口頭で言うあるいはカタカナで書く→それに相当する英語のつづりを書く」というプロセスに分けて調査することとし,高2・高3・大学生各1名に試行した。その結果を踏まえて現在語彙を再検討中である。 2.上記の読み書きスクリーニング検査試案を,発達性dyslexiaの診断を受けている大学3年生および高校3年生に対しての英語指導の一環として試行し,どのような点が難しいと感じるのかについて報告してもらった。このことをスクリーニング検査試案の単語選定の際の情報および発達性dyslexia児の英語指導の際の留意事項として有効活用する予定である。 3.発達性dyslexiaの診断を受けている中学1年生2名に,上記の読み書きスクリーニング試案の中1の単語の読み書きを,英語指導の一環として実施し,指導のベースライン評価の一部とした。 4.アメリカのタフツ大学のマリアン・ウルフ教授が開発した英語指導教材「RAVE-O」プログラムについて,そのプログラムの内容を理解するため,抄訳作業を行っている。将来的には,日本語話者の発達性dyslexia児への英語指導教材としての活用を検討する予定である。 5.実際に日本語話者の発達性dyslexia者に対して,RAVE-Oプログラムを利用して英語指導を行い,その効果を検討中である。 6.上記4と5の経過を,2013年度の発達性dyslexia研究会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.今年度の研究1は,読み障害のある児童生徒の英語学習の困難に関するデータ収集を行うことを目的としていた。研究計画では,小学校の通級指導教室でデータを収集することとしていたが,小学校における打ち合わせにおいて,発達性dyslexia児は日本語の読み書きでつまずいており,小学校での英語学習の困難さの度合いを測定することは事実上負担が大きすぎることが明らかになった。そのため,英語学習に関する困難のデータ収集は,まず基礎的データを収集するために典型発達児から行うこととし,そのパイロットスタディを行った。 2.中学校における英語学習の困難に関するデータ収集は,中学1年生に対しては英語学習開始直後であるために難しく,行うとすれば中2~中3のみとなることから,どのような調査が最も効果的かを考慮中である。 3.発達性dyslexia児の英語の指導に関しては,RAVE-Oプログラムを入手して日本におけるその応用を検討中であり,一定のプログラムに基づく指導効果を得られることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
1.日本語話者の英語の読み書きのつまずきに関するノーマルデータの収集方法を検討する。 ①小学校の通級指導教室における発達性dyslexia児の英語の文字認識の調査 ②高等教育を受けている学生の中1~中3の英単語に関する達成度の調査 2.発達性dyslexia児に対する英語指導方法の開発と指導効果の測定 ①RAVE-Oプログラムの紹介 ②RAVE-Oプログラムを利用した英語指導の経過および成果の検討
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.物品費:英語指導に必要な教材,消耗品の購入など 2.旅費:研究協力機関(福井市・平谷こども発達クリニックおよび川崎市・クリニックかとう)へのデータ収集および指導に赴く際の旅費,および学会への情報収集・成果発表の旅費 3.人件費・謝金:データ整理およびコンピュータ入力を行うための人件費 4.その他:学会参加費,振込料その他
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Research Products
(10 results)