2014 Fiscal Year Annual Research Report
ろう学校の音楽教科における一考察 ー他教科に与える影響ー
Project/Area Number |
24531266
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Research Institution | Kanazawa Seiryo University |
Principal Investigator |
高垣 展代 金沢星稜大学, 人間科学部, 准教授 (90515983)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 身体表現 / リズム / 音 / 教科教育 / ろう教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
「生活経験の不足から、音楽教科目標の~心情を育てる~まで指導が行き届かない」ろう学校の教諭が言われた言葉である。しかし音楽室に入ってくる児童の様子からは少しずつ育まれていると確信する。音楽を感じるためには拍の持続が不可欠である。昨年度から4分の4拍子1小節をクラップして応答する活動を,授業前半に取り入れた。誰が答えるか、どのような速さか分からない状況で応答する方法で体験させた。すべての教育は他者との関わりの中で成長していくと考えている研究者は、4拍の打ち方に注目した。拍の持続はもちろんであるが、1拍目の打ち出しに注目した。空間の準備(拍の取り込み)・4つの拍の持続・4拍目を相手に返す動き、これら一連の動きに対応できたかを観察した。予測を立て、実行して、相手に伝える。結果は音楽の器楽合奏発表時に現れた。発表は担任が行った。低学年1~4年Aクラス(小学校の教育課程に準ずる教育課程児童)・Bクラス(知的障害を併せ有する重複障害児童)は「茶色の小瓶」、高学年5・6年A・Bクラスは「ふるさと」の合奏である。低学年はマリンバ3台とリコーダー演奏、高学年はリコーダーとマリンバ・ハンドベルである。メロディを演奏する児童は対応可能なAクラス児童で、リズムパートや伴奏パートはBクラス児童であった。Bクラス児童が音を選び、ピンポイントで打つには内的リズムの確立がないと打てない。途中で間違っても音を選び直し、曲に合わせて打っていた。まさしく研究者が目指していた拍を取り込み持続できた結果と言える。この効果は他の授業でも発揮された(特にBクラスの児童である)B児童はこだわりのある場合が多いが、今何をするべきかを考えられるようになった。授業中でも継続して思考が可能になって、他児と関わりが増えてきたと成果を伺った。具体的な教科を特定するに至らなかったが、時間を満たす経験が発達をもたらしたと考えられる。
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