2012 Fiscal Year Research-status Report
数の表象形成が「算数障害」に及ぼす影響の評価と支援方法の開発
Project/Area Number |
24531267
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
石川 健介 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (90319038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 彰子 北陸学院大学, 事務局, 相談員 (10623788)
原田 克巳 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (10361974)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 学習障害 / 算数障害 / 算数困難 / Dyscalculia |
Research Abstract |
平成24年度は,幼児・児童の知的・認知機能の査定と数の表象(概念)測定のための課題の作成および予備的な検討を行った。 (1)数の表象(概念)を測定する課題の作成 この分野でのいくつかの先行研究を参考に,数直線を用いた「数の推定課題」を作成した。発達とともに,把握できる数量範囲が拡大していくことが先行研究により示されていたので,それらを参考に複数のバージョン(版)を作成した。具体的には,1-10数直線,1-100数直線,1-1000数直線である。これらの課題のうち,就学前の子どもに対しては,1-10数直線および1-100数直線を,小学生に対しては,1-100数直線および1-1000数直線を実施する計画である。 (2)数の計算課題の作成 この分野でのいくつかの先行研究 を参考に,算数の基礎的な能力を測定する課題を検討した。課題は,各学年に応じて,標準化された算数テストを採用することにした。 これらの課題を,予備的に成人の対象者に実施した。その結果,先行研究の結果と同様の知見が得られた。すなわち,1-100数直線に関しても,1-1000数直線に関しても,線形の数の表象が確認された。また研究に同意が得られた小学生を対象に先行的に実施した。これまでのところ,欧米のデータと比較して,発達の段階が進んでいる印象をうける。しかし,実施人数がまだ少ないため,今後対象児を増やして結果を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた課題のうち,主要な課題については開発・作成を終え,次年度に予定した子どもへの実施が可能な段階になった。実際,平成24年度中に実施した。予定していた1つの課題については,子どもを対象とした1回の実施機会で実施可能な範囲を考えて,適用を再検討している。 平成24年度の研究の実施結果を踏まえて,必要な課題については継続検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,平成24年度に作成した数直線課題ならびに採用した標準化された算数課題を,就学前の子ども(幼稚園・保育所)や小学生を対象に,実施していく予定である。また同意を得られた対象児に対して,本年度に購入予定の知能検査を並行して実施して,数概念の発達過程と知的機能との関連を検討していく。さらにPC教材の開発の基礎となるデータを収集して,教材・支援ツールの開発につなげていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は,3つの研究施設において,研究を進めていく予定である。このため,本年度に請求した研究費は,対象児童の拡大や研究補助者の協力を得ながら,研究の進捗状況に合わせて計画的に使用する予定である。 なお,平成24年度に計画していた購入単価の高い心理検査の購入を,本年度に変更したために未使用額が発生したが,本年度中に購入する予定である。
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