2013 Fiscal Year Research-status Report
2次元画像から3次元空間理解を促すための障害児教育用教材の開発と活用に関する研究
Project/Area Number |
24531276
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Research Institution | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
Principal Investigator |
大内 進 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 企画部, 客員研究員 (40321591)
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Keywords | 障害児教育用教材 / 空間理解 / 真空成型 / 立版古 / 触覚 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画に基づいて以下の内容について取り組んだ。 (1)真空成型半立体及び立版古法による教材の試作と検証に関して、小学校・中学校の社会科、理科、算数・数学の検定教科書および文部科学省著作点字教科書における図版について、視覚障害教育の観点から精査し、半立体化翻案候補図版の選定を行った。(2)真空成型教材の試作と検証に関して、複雑な立体形状でも真空成型が可能な組み込み細工の原理を応用した成型用母型の開発に取り組んだ。大型真空成型装置による立体教材を試作した。これらの成果を踏まえて真空成型立体教材作成方法についてのガイドブック(案)をとりまとめた。次年度さらに検証して、報告書に反映する予定である。(3)立版古法による教材の試作と検証について、平面画像を組み合わせた立体的表現法である「立版古」の翻案原則に基づいて、(1)において選定された社会科、理科、算数・数学教科書の図版の立版古教材に取組み、試作教材を作成した。(4)海外調査に関連しては、イタリアにおける触覚教材開発の最新の取組状況を調査し、とりまとめ、その成果を国立特別支援教育総合研究所ジャーナルに速報として報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的で示した(1)真空成型半立体及び立版古法による教材の試作と検証、(2)真空成型教材の試作と検証、(3)立版古法による教材の試作と検証、(4)海外の動向の把握、それぞれについて、第1年度の取組の成果を踏まえてほぼ計画にしたがって研究活動を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの2年間の取組で、複雑な立体形状でも真空成型が可能な母型作成の基盤が整い、引き続き教材を作成する。本年度は、それらの教材の利活用について事例的に評価を行う。それらの結果を踏まえて、本研究の目的である(1)真空成型半立体及び立版古法による教材の試作と検証、(2)真空成型教材の試作と検証、(3)立版古法による教材の試作と検証、(4)海外の動向の把握、に関して報告書を取りまとめる。 当初の計画通り、本研究により視覚障害教育では必須の立体教材について、真空成型法によって一定の質を維持しつつ、比較的経済的に教材が作成できる方向が明確になったが、原型の作製には経験と知識が求められる。現場で有効に活用できるようにするために、より丁寧な報告書の作成が課題となっている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度において、画像処理および統計処理用PCを物品費として計上していたが、25年度においては、既存のPCの対応で処理できた。さらに高度の画像処理を行うために、次年度において購入を予定している。 より精密な真空成型原盤を作成するために、26年度においては、高性能のPCを用いてデータ処理を行うことととしている。
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Research Products
(2 results)