2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24540003
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田邊 顕一朗 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10334038)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 代数学 |
Outline of Annual Research Achievements |
頂点代数の加群の定義を拡張した対数項付き加群を,昨年に引き続いて調べた.対応するヅー代数の構成の一部を改良することにより,ヅー代数の左加群と対数項付き加群との一対一対応の証明が見通しよくなった.また,格子に付随する頂点代数上の対数項付き加群の構成が簡略化された.ハイゼンベルグ頂点代数上のある条件を満たす任意の通常加群から格子頂点代数上の対数項付き加群が構成できるため,対数項付き加群が非常にたくさんあることが分かる.このことは,頂点代数の部分代数を考えたとき,部分代数上の通常加群を,もとの頂点代数上に誘導することにより,対数項付き加群が自然に現れることの例になっている.しかし,対数項付き加群がどれくらいたくさんあるか等の状況はまだよく分かっておらず,特に対数項が実際に現れる既約加群があるかどうかは不明である. また,頂点作用素に対数項を許すように頂点代数の定義を拡張し,対応するボーチャーズ恒等式を求めた.ただし,ここで定義したものは,正確には非可換な頂点代数の拡張である.ハイゼンベルグ頂点代数とテンソル代数,および上記の格子頂点代数上の対数項付き加群を用いてそのような例を構成した.この例はハイゼンベルグ頂点代数の拡大になっており,intertwining 頂点代数の拡張になっている.さらに同様に手法により,その拡張された頂点代数の加群を定義して,格子頂点代数上の対数項付き加群を用いて例を構成した.
|
Research Products
(4 results)