2014 Fiscal Year Research-status Report
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24540010
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内藤 聡 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (60252160)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Macdonald polynomial / crystal basis / quantum affine algebra / extremal weight module / Lakshmibai-Seshadri path / quantum Weyl module |
Outline of Annual Research Achievements |
(untwisted な) アフィン・リー環に付随する量子展開環であるアフィン量子群上のレベル・ゼロウエイトを extremal ウエイトとする extremal ウエイト加群の Demazure 型の部分加群 (これらは、アフィン・ワイル群の元によってパラメトライズされる) のうち、特に有限ワイル群の最長元に付随するものを考え、その null root による重み付けに基づく次数付き指標の明示公式を得た。そして、それが本質的には、対称 Macdonald 多項式の 2 種のパラメーター q, t のうち、ヘッケ・パラメーターと呼ばれる t を "t = 0" と特殊化したもの (q-Whittaker function) に他ならない事を証明した。
さらに、より一般の有限ワイル群の元 w に対しても、上記の extremal ウエイト加群の Demazure 型の部分加群の適当な商加群を考え、その次数付き指標に関する明示公式を得た。そして、それが非対称 Macdonald 多項式のヘッケ・パラメーター t を "t = 0" と特殊化したものである事を証明した。
一方、非対称 Macdonald 多項式のヘッケ・パラメーター t を "t = ∞" と特殊化したものについても、その表現論的な意味付けを調べた。そして、特に w が有限ワイル群の最長元である場合には、アフィン量子群の典型的な有限次元表現である量子 Weyl 加群の結晶基底を量子 Lakshmibai-Seshadri paths によって実現し、そのある具体的な重み付け (但し、この重み付けは、"t = 0" の時のものとは異なるもの) に基いたウエイトの次数付き母関数が、実は、非対称 Macdonald 多項式の "t = ∞" での特殊化に他ならない事を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成 26 年度には、私は、東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻の専攻長を務めたため、研究のために使う事ができる時間が非常に限られてしまい、研究上の大きな進展は得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成 26 年度までの研究によって、対称及び非対称 Macdonald 多項式のヘッケ・パラメーター t を "t = 0" と特殊化したもの、及び "t = ∞" と特殊化したものの表現論的な意味付けは、ほぼ完成されたと言える。そこで、今年度は、この様な特殊化を行わない対称及び非対称 Macdonald 多項式に対しても、量子 Lakshmibai-Seshadri path の概念を拡張 (つまり、pseudo-quantum Lakshmibai-Seshadri path の導入) する事によって、表現論的な意味付けを与えたいと考えている。 つまり、対称及び非対称 Macdonald 多項式を、pseudo-quantum Lakshmibai-Seshadri paths の集合の (ある具体的な重み付けをした) ウエイトの母関数として解釈し、さらにこの pseudo-quantum Lakshmibai-Seshadri paths の集合に "クリスタル" の構造を入れ、その構造、特にそのクリスタル・グラフの連結性等を詳細に解析したいと考えている。そしてこれが、アフィン量子群のある種の有限次元表現の結晶基底の実現となっているかどうかを調べたい。
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Causes of Carryover |
東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻における専攻長業務の遂行のため、参加予定であった "RIMS Project 2014: Geometric Representation Theory" の Workshop (2014 年 7 月 28 日 ~ 8 月 1 日) への参加を取り止めたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新たに開催が決まった "ECNU Summer School and Workshop on Lie Theory and Representation Theory (IV): July 2 - July 4" への旅費の一部としたい。
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Research Products
(4 results)