2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24540012
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
秋山 茂樹 筑波大学, 数理物質系, 教授 (60212445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 和志 高知大学, 自然科学系, 准教授 (00253336) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自己誘導構造 / Pisot 数 / 置換規則 / ベータ展開 / sofic system |
Outline of Annual Research Achievements |
置換規則により生成される点集合の平行移動による力学系は混合的にならない rigid な力学系である。置換規則が原始的であるときには、唯一エルゴード的でありスペクトル解析を行うことができる。とくにPisot族の置換規則では対応する力学系は弱混合的にもなりえない。このような置換規則力学系が純離散性を持つ場合には、よい準結晶の数理モデルとなるので深く研究されている。 この純離散性はOverlap Coincidence という一致条件と同値である。一方で一次元置換規則の幾何学的実現の構成には Strong-Coincidence という一致条件が必要となる。Jeong-Yup Lee との共同研究で、Strong-Coincidence は Overlap Coincidence から導かれることは分かっていたが、今回その逆に当たる命題を証明できた。ただし、Strong Coincidence 単独でなく、一つのタイル張り力学系の多数の制御点に対して Strong Coincidence を同時に仮定すると逆が成立する。この結果で Strong coincidence の位置づけが明確になった。 J.Caalim との共同で回転作用を含むベータ展開を定義し、そのエルゴード性と対応する記号力学系の sofic system となる場合を調べた。その結果、新しいタイプの多角形をタイルとする自己相似タイル張りを簡単に構成できることが分かった。このようなタイル張りのスペクトル解析と純離散性の研究が将来の課題である。
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