2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540026
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
谷崎 俊之 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70142916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼田 正治 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60204575)
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Keywords | 量子群 / 表現論 |
Research Abstract |
今年度は主として,量子群の表現論の研究を行った. 特に,量子包絡環のベキ根における非制限型表現の研究を行った.この方向での最終的な目標は,アフィン・ヘッケ環の周期加群の基底を用いてカルタン行列を記述する,ルスティックの予想を解決することであるが,これと関連して,周期加群の基底に関して考察を行った.この問題は,組合せ論的には,アフィン・ヘッケ環のセルの記述と対応しており,また幾何的にはシュプリンガー束の同変K群の基底を構成する問題と対応している.A型での具体的計算を行ったが,最終結果には至っていない. 一方,最近になって,量子包絡環の双対対象である量子座標環の表現論が注目浴びつつある.これに関しても研究を行った.通常は,テンソル積を用いて書かれるソイベルマン加群の,生成元と関係式による表示を与えた.また,これを用いてソイベルマン加群の自然な基底と量子包絡環のPBW型基底の間の関係を記述した.最長元に対応するソイベルマン加群の場合,この事実は国場・尾角・山田が見いだしたものであるが,その証明はケースバーケースの考察によるものであった.我々は,より一般のソイベルマン加群に対しても同様の結果を定式化して,その統一的な証明を与えたのである.また,関連して量子座標環の局所化の作用に関する国場・尾角・山田の予想も,同様の手法で解決した. これ以外に,量子幾何ラングランズやアフィン・シュプリンガー表現の研究も行ったが,見るべき成果は得られなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的で掲げた研究目的で掲げた4つの課題「(1)ベキ根における量子群の非制限型表現の研究」「(2)量子群に対する幾何ラングランズ対応の構成」「(3)アフィン・ヘッケ代数の幾何学的表現論の研究」「(4)アフィンSpringer 束の幾何構造の研究」のうち,(1)に関しては十分に研究が進展しており,最後の詰めに入っている.また(3)も(1)と関連して研究が進んでいる.(2), (4)に関しては結果が得られている訳ではない.ただし(4)の有限次元版は,(1), (3)と関連して研究が進んでいる.また(2)は(1)の完成を待って,取り組むべき問題であろう.
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的で掲げた研究目的で掲げた4つの課題「(1)ベキ根における量子群の非制限型表現の研究」「(2)量子群に対する幾何ラングランズ対応の構成」「(3)アフィン・ヘッケ代数の幾何学的表現論の研究」「(4)アフィンSpringer 束の幾何構造の研究」のうち,(1)を中心に研究を進めるが,関連する(3),(4)についても同時進行的にに取り組む.(1)が完成した後,これを用いて(4)の研究を進める予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度からの繰り越しがあったのと,パソコンの購入を次年度に延期したために全額使用しなかった. 次年度は,海外で開かれる国際研究会へ参加し,海外での研究活動をより活発に行う予定である.また関連研究者の海外派遣や国内での研究会への補助も予定している.
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Research Products
(4 results)