2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24540027
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
谷口 健二 青山学院大学, 理工学部, 教授 (20306492)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 標準Whittaker 加群 / Lie群の表現論 / 主系列表現 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,研究代表者が定義した標準 Whittaker (g,K)-加群の構造を解析し,その組成列を決定することを主な目標としている.平成27年度は,昨年度に SL(3,R) の場合で成功した手法を Sp(2,R) の場合に適用して解析を行った. 詳しく述べると以下のようになる.標準 Whittaker (g,K)-加群を特徴付ける微分方程式は,いくつかの超平面に確定特異性を持つような,確定特異点型偏微分方程式系である.その部分的境界値を用いて1変数への還元を行うことで,緩増加な Whittaker 関数をある程度特定できる.これに加えて既に知られている Whittaker 関数の明示公式や,主系列表現の socle filtration の情報を組み合わせることで,無限小指標が regular かつ整なときの Sp(2,R) の標準 Whittaker (g,K)-加群の構造を調べた.その結果,Sp(2,R) の標準 Whittaker (g,K)-加群の socle filtration を完全に決定することに成功した. この結果は,群が split ならば,(1) K-タイプを固定したときに上記の微分方程式系の緩増加関数解の次元は無限小指標によらない,(2) 標準 Whittaker (g,K)-加群には自己双対性がある,という従来からの予想への肯定的な例ともなっている.
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