2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小松 啓一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80092550)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 類数 / 岩澤理論 |
Research Abstract |
有理数体Qの円分的Z_p拡大のpのn乗次の中間体の類数h(p,n)が全てのnについて1であるかどうかというのがWeberの問題である。従って、この問題を証明するためには、全ての素数がh(p,n)を割らないことを示せばよいことになる。申請者は1000000000より小なる素数がh(2,n)を割らないこと、及び、32を法として±1と合同でない全ての素数がh(2,n)を割らないことを示し、これらを昨年、Heidelberg大学で開かれたIwasawa2012の研究集会で発表した。この研究を受けて、Cambridge大学のJ.H.Coatesは、有理数体Qの全ての円分的Z_p拡大の合成体の有限次の中間体の類数は有界であろうと予想した。この予想はGreenberg予想と密接な関係がある。Greenberg予想とは、総実代数体の円分的Z_p拡大体の中間体の類数のp-partが有界であることを主張するものである。言い換えれば、岩澤健吉により定義された、λ-不変量とμ-不変量が0である、という予想である。この問題に関し、Weberの問題と関連付けることで、有理数体Qの円分的Z_2拡大のn番目のlayerのZ_l拡大に関して、Greenberg予想が正しいことを示した。さらに、二次体Q(√p)の円分的Z_2拡大についても、岩澤主予想を用いて証明した市村-隅田の判定法を拡張し、100000以下の素数pについて、Greenberg予想の成立を証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Weberの問題とGreenberg予想の関連が少しずつ明らかになっており、Weberの問題の研究により、Greenberg予想に研究の進展が見られた。
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Strategy for Future Research Activity |
有理数体Qの円分的Z_p拡大の自然な類似物として、虚二次体の中で素数pが相異なる素イデアルP、P'に分解している場合、その虚二次体上のPのみ分岐するZ_p拡大が考えられる。このZ_p拡大については、Greenberg予想の類似、及び、Weberの問題の類似が考えられ、虚数乗法論との関係においても非常に興味深いものである。今後はこの問題を研究する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
整数論関係のいろいろな研究集会に参加し、さらに、2014年3月には早稲田大学で研究集会を開催し、研究課題に関する情報収集を行うために科研費を使用したい。
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