2014 Fiscal Year Research-status Report
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24540030
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小松 啓一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80092550)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 類数 |
Outline of Annual Research Achievements |
Weberの問題とは、有理数体QのZ_p-拡大B(p,∞)のn番目の次中間体B(p,n)の類数がいつでも1かという問題である。一方、Greenberg予想は、総実代数体kとB(p,n)の合成体kB(p,n)の類数のp-指数がnについて有界であるという予想である。25年度以降、上の二つの予想を同時に考えるという視点にたち、pを固定したとき、kB(p,n)の類数はnについて有界かという問題を考えることにした。これは、k=Qとしたとき、B(p,n)の類数はnについて有界かという問題になる。 26年度に研究代表者は、実アーベル体の上にpの上にある素イデアルのみ分岐するアーベルp-拡大をアーベル多様体のp-ベキ分点を附加することにより、上の二つの予想を研究するというアイデアを得た。 そのために志村理論を研究する必要が生じた。即ち、重さ2の保型形式fに付随したアーベル多様体A_f、すべての素点でgood reductionをもつ楕円曲線、およびそのisogeny class等の研究を行った。その結果、Q(√109)およびQ(√997)について、それらの体上全ての素点でgood reductionをもち、それらの体の上に3のみ分岐する3次巡回体を構成することに成功した。 また、2015年3月18日から20日で早稲田大学理工学術院で整数論研究集会を開催し、内外の研究者12名の講演をきくことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Greenberg予想とWeberの問題の関連が見つかった。
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Strategy for Future Research Activity |
志村五郎氏により、重さ2のmodular formに付随したアーベル多様体の等分点を用いて実二次体上のアーベル拡大体が構成されている。この手法をGreenberg予想、および、Weberの問題に応用したい。
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Causes of Carryover |
Weberの問題とは志村理論とが密接な関係にあることがわかり、志村理論の勉強に手間取り、研究成果の発表ができず、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
種々の整数論研究集会への参加、および、整数論サマースクールや早稲田での整数論研究集会の開催への補助。
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