2014 Fiscal Year Research-status Report
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24540031
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
広中 由美子 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10153652)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 数論 / p進球関数 / p進等質空間 / 概均質ベクトル空間 / マクドナルド多項式 |
Outline of Annual Research Achievements |
$p$ 進体 $k$上の不分岐ユニタリ・エルミート行列の空間についての研究を引き続き行い,行列のサイズの偶奇を合わせて統一的に展開した.但し,主要な結果は剰余体標数が奇数の場合である. 逆対角線上に$1$ がならぶサイズ$m$の行列を固定するユニタリ群 $G$ をとり,これを $k$ 上定義されたユニタリ群の$k$-有理点集合とみなしておく.$G$ 内のエルミート行列で,代数的閉体上で単位行列を含む軌道の有理点集合を $X$とする.$K$ を $G$ の整点からなる極大コンパクト部分群とする.$G$ が作用する空間 $X$ をヘッケ環 $H(G,K)$ の作用を通して解析したい.そのために$X$ から複素数体へのヘッケ環同時固有関数でる$X$上の球関数を考察する. $n = [m/2]$ (右辺はガウス記号) とする.$X$ のカルタン分解 $K \backslash X$ を与え,$X$上の典型的な球関数 $\omega(x;s)$ ($n$変数有理関数)の,$C_n$ 型のルート系に関するマクドナルド多項式の$m$ の偶奇によって異なる特殊化を主要項とする明示式を与えた.球関数を核関数として $X$ 上の球フーリエ変換により,$X$ 上のシュバルツ関数の空間 $S(K \backslash X)$ を解析すると階数が $2$の$n$乗 の自由ヘッケ環加群であることが分かり,プランシュレル公式を得る.翻って,$X$上の(同じ「固有値」に対応する)球関数の次元が $2$の$n$乗と分かり,基底も構成できる. $k = \Q_2$の場合の研究にも取り組み始めたところである. 概均質ベクトル空間の理論も球関数には密接なつながりがあり,JSPS-CNRS二国間セミナーとしての国際研究集会を2014年9月に主催し,自らも研究発表し,有意義であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代数的閉体上では $U(2n+1)/U(n+1)\times U(n)$ あるいは $U(2n)/U(n)\times U(n)$ と同型となる空間を研究し,基礎体 $k$ が剰余標数が奇数の$p$進体の場合には,ユニタリ・エルミート行列の空間の球関数に基づいた調和解析的理論が基本的に完結した.$\Q_2$ 上の空間でも類似の結果が成り立つ見込みが出てきた.カルタン分解が対角型でない代表系をもつが,パラメトラリゼーション自体は同様にできる見通しが立ち,球関数論を展開できる見込みである.
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Strategy for Future Research Activity |
ユニタリ・エルミート行列の空間 $X$ では,偶数サイズと奇数サイズでは,作用している代数群としての型が異なり,従って群 $U(m)$ 上の球関数は,別種のマクドナルド多項式の特殊化で表示されている.しかし,$X$ 上の典型的球関数は,サイズの偶奇によらず,同種のマクドナルド多項式の別の特殊化で表示されることが分かり,定数部分に現れる量の意味も目安がついた. ユニタリ・エルミート行列の空間の研究によって,マクドナルド多項式やその特殊化,また$q$解析に現れる量などが,等質空間の球関数に登場することが見えてきた.以前考察していたエルミート形式や交代形式の場合にも結果を見直して見通しよくしておきたい.また,他の型の群についての明示的研究を目標としたい. 2013年度に引き続き,立教大学の小森靖氏を連携研究者として迎えて,研究を進めたる予定である.概均質ベクトル空間の理論も球関数には密接なつながりがあり,昨年はJSPS-CNRS二国間セミナーとしての国際研究集会を開いた.今年も元立教大学の佐藤文広氏を連携研究者に迎え,セミナーなどを通じて研究協力をあおぐ予定である. また,今年度は,所属する早稲田大学から特別研究期間を得られたので,Mannheim大学と京都大学数理解析研究所に滞在して研究する予定である. 研究集会「数論女性の集まり」も引き続き世話人として関わり,自分自身の研究発表をして批評を仰ぐとともに,関連する研究者の講演や討論を踏まえて,この研究を進めて行く予定である.
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Causes of Carryover |
書籍費が予定よりいくらか安かったために 3366円の未使用額が発生した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年の予算と合わせて使用する予定である.
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Research Products
(9 results)