2014 Fiscal Year Annual Research Report
旗多様体の同変K理論におけるシューベルト類と特殊多項式
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24540032
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
池田 岳 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40309539)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | K理論 / Littlewood-Richardson 規則 / シンプレクティック・グラスマン多様体 / Schubert 類 |
Outline of Annual Research Achievements |
同変K理論におけるシューベルト類の研究を行った.最大の成果は、Thomas Hudson, 松村朝雄,成瀬弘との共同で得られたグラスマン多様体およびシンプレクティック・グラスマン多様体に対する同変 Giambelli 公式である.全射は Kempf-Laksov 公式を一般化する行列式公式であり,後者は Pfaffian 和公式である.証明の方法は,Kazarian による pushforward 公式を K 理論に一般化することにより得られた公式を基礎としている.この pushforward 公式そのものが K理論の今後の研究の基礎となる重要な結果である.Pfaffian 和については,代数的手法で松村朝雄と進めていたシンプレクティック・グラスマン多様体の同変コホモロジーの研究を,それとはまったく異なる幾何学的な処方でK理論まで拡張することができた.上記の応用として GQ 関数に対する Pfaffian 公式を得た.またGQ 関数を非極大に拡張するGΘ関数を導入することに成功した.これは同変コホモロジーにおいて E. Wilson が導入した double theta 多項式をK理論に拡張する結果である.この一連の研究成果により,シンプレクティック・グラスマン多様体のシューベルト類に対して,Pfaffian の和という姿がいかに自然かつ普遍的に現れるかが明らかになった.組合せ論的観点からも,Pfaffian 和公式の背後にある構造が明らかになり,幾何学,組合せ論両方に新しく研究するべき課題を提案することができた.
構造定数の解明については,非同変ではあるが,グラスマン多様体のK理論のBuch の先行結果(K理論的 Littlewood-Richardson 規則)に対して極めて簡明な別証明を与えることに成功した(島崎達史との共著).この手法は GP 関数に対する構造定数の予想(S.Cho と中筋麻貴との共同研究)につながった.実際,set-valued Decomposition Tableaux という新しい組合せ的対象を発見し,K理論的 Littlewood-Richardson 規則の GP 版を定式化できた.
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Research Products
(8 results)