2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉原 久夫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60114807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 浩雄 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (30211395)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ガロワ埋め込み / ガロワ点 / 分岐被覆 / 射影多様体 |
Research Abstract |
代数多様体のガロワ埋め込み関係の研究を行った。d 次非特異超曲面 S に対して S の外の一般的な点からの射影のきめる被覆に関するガロワ群は d 次対称群であり、これはこの被覆 π : S → P のモノドロミー群と一致している。この被覆の決める体拡大のガロワ閉包を関数体にもち、S 上有限被覆になる正規多様体は一意に決まり、これをガロワ閉包多様体という。当該年度には d=3 のときガロワ閉包多様体の満たす構造を決定し、逆にその構造をもつ多様体は射影の中心点をどのように選べば 3 次超曲面のガロワ閉包多様体として得られるかも決定した。さらに、非一般型代数曲面の一つである、bi-elliptic surface S のガロワ埋め込みの可能性について研究した。この場合 S は有理曲面のガロワ被覆となり得ないことがわかり、結局ガロワ埋め込みを持たないことが判明した。ただし、bi-elliptic surface をblow-up した曲面は可能性がある。こちらについては今後の研究の対象となる。一方、当該研究と関連する話題として、平面曲線で特異点を許す曲線について、平面上のすべての点について、点射影から決まる、ガロワ群を決定するという問題がある。これを特別な曲線、つまり自己双対曲線について決定した。自己双対曲線自身がすべて見つかっているわけでないが、そのような曲線はいくつか知られている。この曲線を扱う理由は、変曲点や multitangent line などがわかり、群を決定できるということにある。このような特別な曲線でないと、すべての点についてガロワ群を決定することは難しいと思われる。この他の曲線でも同様な研究をすることが今後の研究課題の一つである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
非一般型代数曲面のガロワ埋め込みの研究のうち、3 次超曲面のガロワ閉包多様体として K3 曲面が得られることが判明しており、このような K3 曲面の特徴づけもできた。そこでこの事実を一般次元で考察しておく緊急の必要性があることがわかり、当該年度の研究主題は一時ストップした。
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Strategy for Future Research Activity |
有理曲面のガロワ埋め込みの研究のうち、群が非可換の場合について研究する。および、楕円曲面は非一般型代数曲面の多くのクラスに現れるので、この曲面のガロワ埋め込みに関して一般的に得られる結果を求める。当該研究課題と関連のある、 3 次元空間曲線のガロワ直線の配置の研究を行い、その副産物として、特異点を許す平面曲線のガロワ点の個数の評価もする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ガロワ埋め込み関係のシンポジウムを開催し、研究発表や研究打ち合わせを行う。またイタリアを始めヨーロッパでガロワ点関係の研究を行う研究者もいるので、訪問して研究打ち合わせをする。このことにより当該研究に深みを持たせる。また、これまでの研究成果や未解決問題をまとめて、ホームページを作成して世界に公開する。
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Research Products
(5 results)