2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540036
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉原 久夫 新潟大学, 自然科学系, 名誉教授 (60114807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 浩雄 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (30211395)
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Keywords | Galois line / Galois embedding / Galois group / finite covering |
Research Abstract |
射影代数多様体、特に楕円曲面のガロワ埋め込みの研究の一環として、楕円曲線の埋め込みの研究を行った。ガロワ埋め込みとは、代数多様体 V の非常に豊富な因子 D による射影埋め込み f(V) を行ったとき f(V) とは交わらない線形多様体中心の射影をし、それの f(V) への制限がガロワ被覆になるときの埋め込みのことである。このとき、ガロワ群や線形多様体の配置などを決定することを研究する。この問題はいくつかの V や D に対して決定されている。特に、V が超曲面として埋め込まれるような D の場合には、ガロワ点の研究として、多くの結果がある。しかし、余次元が 2 のときはわずかである。ここでは楕円曲線を 4 次の因子で埋め込んだときを詳細に考察した。ガロワ群はクラインの四元群 V_4 か4 次巡回群 Z_4 であるが、後者は j 普遍量 1728 の場合しか起こらない。 j が 1728 でないときは、すべてV_4 直線でそれらは四面体の6本の辺を作るが、j= 1728 のときは非常に複雑で、V_4 直線だけでなく Z_4 直線は四面体の各頂点に 2 本づつ、合計 8 本現れる。この結果の副産物として、平面 4 次曲線で種数が 1 の曲線の外のガロワ点の個数は高々2 個であり、さらに 2 個になる場合はこの曲線の正規化の j 普遍量が 1728 の場合に限ることも判明した。しかもそのような曲線は上の V_4 直線と Z_4 直線の交点からの射影で得られ、それに限られるということまで判明した。なお、この結果の一般化として、6 次の埋め込みや、次元をあげたアーベル曲面の埋め込みの問題もあるがそれらの解決は今後の課題としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一般型楕円曲面についての研究は大きな枠組みの中ではほぼできている。しかし、詳細は当該研究に、楕円曲線のガロワ埋め込みの研究が事前に必要であることが判明して、その解決に取り組んでいたためやや遅れることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
楕円曲線のガロワ埋め込みの研究は、ほぼめどがついたので、その結果を利用して楕円曲面のガロワ埋め込みの研究を遂行する。その他楕円曲面の構造をもたない小平次元0のガロワ埋め込みの研究も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
パヴィア大学(イタリア)のピロラ教授と研究打ち合わせの予定であったが、お互いの予定が合わなくて変更になったためである。 上記ピロラ教授を訪問して氏と研究打ち合わせを行う。また、パヴィア大学でのセミナーなどで講演して、ガロワ埋め込みの理論を紹介して当該研究への参加を誘う。
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Research Products
(5 results)