2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540039
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
斉藤 盛彦 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (10186968)
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Keywords | 混合ホッジ加群 / ステンブリンク・スペクトル / 極位数スペクトル / ホッジ類 / スプレッド / ヒルツェブルフ特性類 / チャウ・モチーフ |
Research Abstract |
まず長年懸案であった混合ホッジ加群の定義のより簡明な定式化に関しては、大体満足できるものがやっと得られたので、それを論文にまとめつつあるところである。これは本質的には、必要な道具は全部そろってはいるのだが、それらをどのような順番でどのように並べれば最も分かり易いかという問題なので、また幾何学的な混合ホッジ加群に話を限るならばあまり必要のないことなので、今まで後回しになっていたものである。 ディムカ氏との共同研究においては、特異点としては通常二重特異点しか持たない射影超曲面の定義多項式の場合には、ステンブリンク・スペクトルや極位数スペクトルをかなり簡単に表せる事が分かったので、それを論文にまとめているところである。これらが比較的簡単なのは、次元などの数値的公式だからであるが、もっと詳しい表示を得るのはそう簡単ではなさそうである。ヴォツラフ氏の予想に関しては、殆どの場合は証明できたが、まだ完全ではない。 許容法関数の零点の定義体に関する理論については、カタニ・ドリーニュ・カプランによって研究されたホッジ類になる点からなる代数部分多様体に関し、その定義体についての話に拡張できることがシュネル氏により発見されたので、彼との共同研究を行っているところである。部分多様体のスプレッドの理論を使えばかなりの部分は同様にいくように思えるが、まだ少し技術的に困難なところが残っている。 射影超曲面のヒルツェブルフ特性類に関するマキシム及びシュルマンの両氏との共同研究については、射影的超曲面配置の場合の公式などが最近得られた。 チャウ・キュネット分解の射影子の自由度に関する研究については、曲面の場合に真ん中の射影子から定義されるチャウ・モチーフの一意性が最近証明できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
混合ホッジ加群の基礎理論の簡易化に関しては、英国でのホッジ加群に関連した研究集会までに何とか間に合った。応用に関しては、多くの共同研究者のおかげもあって、かなり順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
代数幾何への応用に関しては、ホッジ加群を幾何学的なものに限定し、さらに古典的ホッジ理論のみを基礎に使った方が分かり易いように思われる。これを代数幾何の専門家なら誰でも分かる様なやり方で提示するのはあまり簡単な事ではないが、試みる価値のある事のように思われる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費が思ったより少なくてすんだため。 来年度の旅費に使用する予定。
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Research Products
(3 results)