2013 Fiscal Year Research-status Report
局所関数等式を満たす多項式に付随する空間の諸性質の研究
Project/Area Number |
24540049
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
小木曽 岳義 城西大学, 理学部, 教授 (20282296)
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Keywords | 局所関数等式 / Fourier変換 / 概均質ベクトル空間 / Clifford代数 / Jordan代数 / homaliodal map / 乗法的Legendre変換 |
Research Abstract |
局所関数等式を満たす多項式のペア及びその多項式が住む空間の特徴付けを調べる研究をしている。平成25年度には平成24年度までに立教大学の佐藤文広氏との共同研究により分かった2次写像を通じての局所関数等式の遺伝定理が成立するあるクラス(Clifford代数の表現から得られるクラス)の分類を行い、その論文を完成させ、投稿中である。今年度新たに分かったこととして、以下のことがある。Etingof, Kazhdan, Polishchukの論文の中で、semiclassical conditionを満たす多項式について、研究されていているが、次数が3以下の多項式については、semiclassical conditionを満たす多項式全て概均質ベクトル空間の相対不変式であることが示され、一般の次数の場合も、semiclassical conditionを満たす多項式は概均質ベクトル空間であろうと予想されていた。この予想について、佐藤氏と共同研究の結果から、この予想に反例があることを示し、Kazhdan達の予想を否定的に解決した。これらは代数幾何と関係しており、現在はその研究と代数幾何学におけるhomaloidal写像、Cremona変換との関係を調べている。また、名古屋大学の伊師英之氏も含めた3人の研究により、非線型計画法における手法に我々の結果が応用出来ることが分かり、その方向性でも研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標である局所関数等式を満たす多項式のペアを見つけるという目標については、概均質ベクトル空間以外から初めて構成することに成功し、その結果によって、Etingof, Kazhadan, Polishachukの論文で予想されている問題について、反例をあげることで否定的に解決することが出来た。またこのことにより、我々の研究が代数幾何と深い関係があることが分かり、また等質錐の理論を用いた非線型計画法とも深い関係があることが分かり、研究の新たな方向性が見えてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
代数幾何学のhomaloidal写像や多項式の乗法的Legendre変換や、等質錐の理論を用いた非線型計画法との我々の研究をより深く調べていく。そのために、代数幾何の理論から現れる多項式についての、その多項式の表現論的な意味合い、その多項式の乗法的Legendre変換、b-関数の計算などをしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度は主に国内での研究集会が多く、次年度には国際研究集会があることが分かっていたため、2013年度の旅費の支出をある程度ひかえて、次年度に繰り越すことで、次年度の海外出張旅費に余裕をもたせる計画のため。 2014年12月に国際研究集会がフランス、モロッコであり、そこでの招待講演が予定されているが、その招待講演で、当該研究の成果を発表する予定である。これらの旅費として使用する。また、その他、国内外の研究集会での成果発表、研究連絡等のための旅費、研究成果をまとめるためのPC、プリンターなどの購入に使用する予定である。
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