2013 Fiscal Year Research-status Report
対称性を持つ構成法で構成された配置のトーリック環の構造解析
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24540055
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
大杉 英史 立教大学, 理学部, 教授 (80350289)
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Keywords | グレブナー基底 |
Research Abstract |
この研究の目標は、トーリック環の生成系に対応する整数ベクトル集合の凸閉包に対する幾何的な変形として、おもに対称性を持つ配置構成法に注目し、付随するトーリック環およびトーリックイデアルの環論的性質の変化について研究することである。 本年度の研究では、主に、有限グラフの切断多面体に付随するトーリック環およびトーリックイデアル(切断イデアル)について研究した。このトーリックイデアルについては、グラフのある種のクリーク和(頂点、辺、三角形に沿って、2つのグラフを張り合わせる操作)が、良いトーリックファイバー積に対応することが知られており、変形による環論的性質の変化を調べる上で有意義な例となっている。また、有限グラフのサスペンションの切断イデアルの生成系は、そのグラフに対応するバイナリーグラフモデルのマルコフ基底であることが知られている。当該研究では、有限グラフの切断イデアルの生成系が、ある種の実験計画問題(2水準のレギュラーな一部実施計画)に応用できることを証明した。特に、グラフマイナーをとる操作などに関する既知の結果を活用すれば、定義関係が高々2つの一部実施計画のマルコフ基底が2次の2項式からなる生成系、あるいは、グレブナー基底として得られることが分かる。また、クリーク和や、マイナーをとる操作で性質が遺伝しないことが知られている、切断多面体のトーリック環のゴレンシュタイン性についても研究し、切断多面体のトーリック環が正規かつゴレンシュタインとなるグラフを完全に分類することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
グラフの変形がトーリック環の興味深い変形に対応することが知られている切断イデアルについて、実験計画問題への応用を含めた有用な結果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をもとに、引き続き、より一般的なトーリック環の変形理論の構築を目指す。特に、トーリックイデアルの生成系や、グレブナー基底の次数に注目して研究を遂行する。その際、有限グラフに付随する様々なトーリック環を題材に、実験的考察も行う。
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Research Products
(10 results)