2016 Fiscal Year Annual Research Report
Toric rings of configurations constructed by a method with symmetries
Project/Area Number |
24540055
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
大杉 英史 関西学院大学, 理工学部, 教授 (80350289)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グレブナー基底 |
Outline of Annual Research Achievements |
主たるテーマに掲げるトーリックイデアルの新たな構成法の開発や,統計学などへの応用等のテーマに関して,2016年度は日比孝之氏との共同研究により,主に有限半順序集合の多重鎖に付随するトーリックイデアルについて研究した。詳細は以下の通りである。 半順序集合の(元の重複を許す)多重鎖に対して単項式を対応させ,多重鎖に対応する単項式たちで生成されるトーリック環のトーリックイデアルについて研究した。特に,多重鎖の長さの設定に依らず,2次の二項式からなる生成系,あるいは,グレブナー基底を持つことと,半順序集合の比較可能グラフ(半順序集合の元全体を頂点集合とし,比較可能な2元を辺でつないだグラフ)がコーダルグラフ(長さが4以上の任意のサイクルがコードを持つグラフ)であることが同値であることを証明し,コーダルな比較可能グラフの可換代数的特徴付けとして非常に興味深い結果が得られた。証明においては,適切な単項式順序の構成において,比較可能グラフがコーダルであるときに保証される「強理想消去順序」が重要な役割を果たしている。また,対応する配置はベロネーゼ配置の部分配置であるが,ほとんどの場合にトーリック環が正規にならないという性質を持つ。ベロネーゼ配置などに対してこれまでに構成されたほとんどのグレブナー基底はスクエアフリーなイニシャルイデアルに対応し,トーリック環が正規であることを保証するから,既知のグレブナー基底とは明確に異なる。
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Research Products
(8 results)