2013 Fiscal Year Research-status Report
有限体上の代数曲線論とその応用としての符号・有限幾何
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24540056
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
本間 正明 神奈川大学, 理学部, 教授 (80145523)
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Keywords | 代数学 / 代数幾何学 / 有限体 / 有限幾何 / 符号理論 / 国際研究者交流 韓国,ブラジル |
Research Abstract |
昨年度の研究状況報告書にも記したように,本研究は「有限体 F 上定義された代数曲線,あるいはもっと一般に高次元の代数多様体の F-有理点のなす幾何を調べ,それを符号理論,有限幾何に応用すること」を目的として開始された.その出発点は研究代表者がかつて示した射影平面内の代数曲線に関する Sziklai bound である.この類似を3次元射影空間内の曲面に対し定式化し(これをわれわれは,「elementary bound」と名づけた)証明することは2012年度に完成したが,この elementary bound で等号をとる場合の研究に2013年度は力を注いだ. その結果をここに簡単に述べる.有限体 F の元の個数をp{e} (pは素数であり,p{e}はpのe乗を意味する)とする.このとき,elementary bound の等号をとる場合は,その曲面の次数が 2 または eが偶数でp{e/2}+1, または p{e}+1 のみであり,それぞれの場合に射影同値を除けば唯一つの曲面がこの bound を到達する. 特に次数が p{e/2}+1の場合にはelementary bound とWeil-Deligne bound は一致し,それゆえそのような曲面の決定は,Ruck-Stichtenoth のHermitian曲線の特徴づけに,ある意味では相当する事柄でありる.当然この結果により,同様な方向で3次元以上の Hermitian variety の特徴づけが問題となるが,これは今後の課題である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記したように,曲面の場合に,曲線について得た結果のアナロジーがすっきりとした形で得られ,研究は概ね順調に進行していると自負している.
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Strategy for Future Research Activity |
研究費助成を申請した頃には曲線の場合についての考察を中心に据え,余力があれば高次元の場合にもということであったが,2013年度の予想外の研究の進展,拡がりに伴い,高次元の超曲面についても,明るい兆しが見えてきた.14年度はこの方向に傾注する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
IT Bombay で開催された AGCT-13 へ出席する費用として滞在費も含めて,25万円で打ち切りの予定であったが,滞在費については先方で負担してくれることになった為,航空運賃のみ補助金使用ということになり,未使用額が生じた. 未使用額は26,291円である.2014年度に予定している海外出張について,円安のため航空券が予定額を超える見込みであるので,それに充当する.
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Research Products
(4 results)