2014 Fiscal Year Research-status Report
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24540077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
葉廣 和夫 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (80346064)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 量子群 / 圏化 / トレース / 3次元多様体 / 量子不変量 / カレント代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度において、次の3つの論文を完成させることができた。 1.A. Beliakova氏、A. D. Lauda氏、M. Zivkovic氏との共同の論文「Trace decategorification of categorified quantum sl(2)」において、量子群U_q(sl(2))の圏化のトレース(0次Hochschildホモロジー)について研究した。(これは、前年度の終わりまでに大部分ができていたが、今年度の4月に完成した。) 2.A. Beliakova氏、A. D. Lauda氏、B. Webster氏との共同の論文「Current algebras and categorified quantum groups」において、simply-lacedなカルタン行列に対応する量子群U_q(g)の圏化のトレースについて研究した。特に、ADE型の場合に、このトレースがリー代数 g のカレント代数 U(g[t]) と同型になることを証明した。この証明には、量子群の圏化のcyclotomic商のトレースがカレント代数のワイル加群と同型になるということを使っている。 3.T. Q. T. Le氏との共同の論文「Unified quantum invariants for integral homology spheres associated with simple Lie algebras」において、一般の複素有限次元単純リー代数 g に付随する量子群から得られる、3次元多様体の量子不変量(いわゆる量子g不変量)を、整係数ホモロジー3球面(ホモロジー群が3次元球面と同型となるような3次元多様体)の場合に統一する、整数係数1変数多項式環のある完備化に値をもつ不変量を構成した。これは、2008年の論文で筆者がリー代数sl_2の場合に構成した不変量の一般化である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に進展していると考えている。 特に、研究実績の概要1、2に記した量子群の圏化のトレースの研究は順調に進んでおり、現在は、一般の量子群の圏化のトレースの研究の段階まで来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に引き続き、研究目的の各項目について研究を行っていく。 数学の研究においては、計画通りに研究が進まないこともしばしばあり、予想外の進展があったり困難に直面する可能性は十分に考えられる。そのような場合には柔軟に計画を修正しながら研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度は、成果発表を韓国と日本国内で行ったが、そのための旅費は予定していたほどにはかからなかった。また、本や消耗品などの物品に関する経費も、予定していたほどではなかったので、未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果発表を今年度中に欧米で行う予定であったが、次年度に行うことになったため、未使用額は研究発表のための経費に充てることとしたい。
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